ビードが上がらない!チューブレスタイヤのビードを上げる方法とコツ

最終更新日: 2023/07/10

公開日: 2023/02/03

チューブレスタイヤを使っている必須な作業が「ビードが上げ」。しかし、実際にやってみると簡単に上がる時もあれば、「頑張っても全然上がらない」ということもあります。今回は、上がらないチューブレスタイヤのビードをフロアポンプで上げる方法とコツを原因から考えて紹介します。

編集ノート: cyclaboでは、パートナーリンクからコミッションを得ています。コミッションが記事の意見や、サービスの評価に影響を与えることはありません。

スポンサーリンク

チューブレスタイヤのビードが上がらない原因

※今回は、チューブレスバルブやチューブレス・リムテープからのエア漏れがない前提、つまりビードが上がらないのは「あくまでリムとタイヤが原因」として考えます。

「ホイールリムのベッドの外周が小さい」もしくは「タイヤのビードの内周が大きい」

チューブレス化の最大の難関とも言われるのがホイール(リム)とチューブレスタイヤの相性。

ETRTO規格に厳密な必要があるチューブレスタイヤの場合、サイズに関してはかなり厳しく製造しているそうですが、それでも工業製品である以上多少の誤差は出てきます。この誤差を「大きい方」と「小さい方」のどちらに許容するかはメーカーによります。

製造時の考え方として、ホイールメーカーは「ホイールリムは外周の誤差は”小さい”方がタイヤが装着しやすい(装着出来ないケースを回避できる)」と考え、タイヤメーカーは「タイヤのビードの内周の誤差は”大きい”ほうがいろんなリムに装着出来る」と考えるそうです。

そうなると、「リムの内側の誤差を小さめに許容するホイール」と「ビード内周の誤差を大きめに許容するタイヤ」を組み合わせると、ETRTOの想定よりも内側に小さく、外側に大きくなるため、結果として隙間が生まれて、断続的に高圧で空気を入れることが出来ないフロアポンプだと、エア漏れが発生しやすく(空気を入れない瞬間に空気圧が落ちてしまう)、ビードが上げにくくなります。

この辺りがチューブレスホイール、チューブレスタイヤの相性として出てくる訳です。

タイヤのビードが硬い

チューブレスタイヤのビードを上げる時には、

  1. タイヤ自体が膨らんで広がる
  2. リムセンターにいたビードがリムウォール方向に押し出される
  3. 押し出されたビードがリムの段差に”上がる”

という流れになります。この時、ビードは一気に上がるのではなく、必ず一部分から徐々に上がっていき、タイヤの規定の最高空気圧に近づくほど、ビードは全体で上がるようになります。

ちなみにビード上げというと「パチンパチンという音がする」というイメージがありますが、音がしなくてもビードは上がってきています。音がするのは上がるのに力がいる「上がりづらい」部分だけです。

ビードを上げる際は、ビードは「上がっているところ」と「上がっていないところ」が生じるため、当然ビードは斜めになったり、ねじれたりすることになります。

ビードが硬いタイヤの場合、リムに密着しながら斜めにならず、極端にねじれたり曲がったりするためリムとの密着度が下ります。そうするとリムとビードに隙間が生まれてエア漏れを発生させる訳です。

ビードの硬さはビードの太さや素材、形状などによって違いますし、リムの内側の形状によってもビードが硬くても、フロアポンプで簡単にビードが上がってくれるケースもあります。

スポンサーリンク

ビードが上がらない原因を解決しよう

ビードが上がらない原因がわかったら、原因を解決してエア漏れを防いでいきましょう。きちんと出来れば、フロアポンプでもビードを上げることが出来る可能性が高くなります。

相性問題を解決しよう

まずはタイヤの相性問題を解決します。ツールなどに頼らず試すことが出来ますし、コツを掴むと出先でトラブルになった際も対処しやすくなります。

全体の流れは、

  1. 手で少しビードをハメてみて空気を入れる
  2. ダメだったら、タイヤチューブを入れてビードを上げ、片側だけビードを上げたままチューブを外す
  3. また手でビードをハメてみて空気を入れる

となります。フロアポンプでビードを上げるときは、「労力の少ない方法から順番に試してみる」というのが早く対処するコツです。

先程、解説した通り、チューブレスの相性問題はそれぞれの誤差範囲でのサイズ違いから来るものが多く、ほとんどが「タイヤとリムの差異が大きいことによる隙間」が原因です。

そのため、ある程度チューブレスタイヤを使っていると「この組み合わせは、手で簡単にタイヤをハメられるから怪しいな(差異が大きいだろうな)」とわかるようになるわけです。

逆に言えば、差異が大きいならリムに対してタイヤビードの円周が大きいということですから、実は手でもビードを上げることが出来ます。ですので、まずは「出来るところだけ、手でビードを上げる」というのを試してみましょう。

手でビードを上げるやり方は「タイヤのサイド部分を少しつまんでリム側に引っ張る」だけです。これだけで、組み合わせによっては全体の60%くらいまでビードを上げることが出来ます。ただ、残りの40%でエア漏れが起こることも多いです。

もし、手で上げることが出来ないくらいビードが硬い場合は、基本的にはフロアポンプで高圧にしていけばビードは上がることが多いので、フロアポンプでもう一度空気を入れてみましょう。

手でビードを上げてもフロアポンプではビードが上がらなかったら、一旦チューブを入れて対処します。

  1. チューブを入れた状態でフロアポンプで空気入れ、一旦ビード全体を上げる
  2. 片側だけビードを上がったまま状態にして、反対側のビードを落としてチューブを抜く
  3. チューブレスバルブに交換する
  4. 片側のビードが落ちないように気をつけながら外れているビードをリムの内側に入れる
  5. 上がっていないビードを手ではめる
  6. フロアポンプで空気を入れる

という流れです。片側だけでもビードを上げてエア漏れを減らそうという狙いです。片側のビードが上がっていると、タイヤがキツくなる(密着する)ため、他の箇所のエア漏れも軽減します。

片側のビードが上がっていれば、反対側は普通にポンピングするだけでビードが上がることもあります。それでもビードが上がらない場合は、先程同じく手で出来るところまでビードを上げます。

それでもダメな場合は、エア漏れしている部分を探して、その分のビードを中心に手で上げるようにしましょう。エア漏れ部分を探すのは、石鹸水を使うと簡単です。

硬いビードをスムーズにしてあげよう

ビードを手で上げていくと、ビードがよじれたり斜めになっている部分がわかります。空気を入れてみると、そこからシューシューとエア漏れをしているはずです。

この部分はビードが上がる際に抵抗が大きくてよじれてしまっていることがあるので、石鹸水や泡タイプのハンドソープで抵抗を落として(滑りをよくして)、スムーズにビードが上がるように手助けします。

石鹸水は最初からビードに塗っておいても良いですし、ビードがある程度上がっている状態で、エア漏れしている部分に塗り込む形でもOK。エア漏れしている部分を確認することが出来るというメリットもあります。

石鹸水を塗ったら、ビードがどの部分ならうまく上がるかを探しながら、先程の解説した「手でビードを上げる」作業を行います。

それでもダメだったらブースターなどを使うしかない

ここまでビードを上げるための作業をしても、フロアポンプでビードが上がらない場合は、タイヤブースターやCO2ボンベなどを使うしかないでしょう。

まず最小限のコストで試したいならCO2ボンベを使ってみましょう。1,500円くらいの出費で済みます。余ったCO2ボンベは、ライド時に携帯ポンプ代わりに使えば荷物の軽量化も出来ます。

それでもダメだったらブースターを使います。タイヤブースターではシュワルベのブースターが評価が高く、在庫も安定しており定番です。

ブースターの種類や選び方については下記の記事をどうぞ。


チューブレスタイヤのビードを上げる方法をまとめました。

チューブレスタイヤのビード上げについては、ブースターやCO2ボンベを使えば即解決することもありますが、逆にプロショップでも「業務用のコンプレッサーを使ってもビードが上がらない」というケースもあるそうです。

そうしたことを考えると、ビードが上がらない原因と原因を解決する工夫を知っておいた方が、対処する際の目安になります。

この記事で紹介したアイテム

スポンサーリンク

手軽で効果絶大!タイヤに拘ろう

チューブレス・スタートガイド

最新セール

最大40% OFF クーポンを見る

ワイズロード

ワイズロードオンライン サイクルウェアセール

Y's Roadでサイクルウェアセールが開催!冬ライドに必須の冬ウェアが最大40%OFF!

セールページを見る
最大40%OFF クーポンを見る

ワイズロード

最大40%OFF サマーウェアセール

Y's Roadで、2024年のサマーウェアセールがスタート。対象のサイクルウェアが最大40%OFF!

2024年12月31日 23:59まで

セールページを見る

最新クーポン

全てのセール・クーポンを見る

自転車とメカニクス 新着トピックス