シマノのロードバイク、MTB、クロスバイク用コンポーネントで採用されているチェーンの互換性を解説。チェーンの選び方について解説します。
シマノ・ESSAのラインアップと既存8速パーツとの互換性
公開日: 2024/04/11
シマノから新しくリリースされた8速コンポーネント「ESSA」のラインアップと、既存8速パーツとの互換性を解説します。
この記事の目次
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ESSAのラインアップ
ライフスタイル&アクティブジャンルの新しいコンポーネントとして発売された「ESSA」。
「Essence of active」の略の通り、街乗りなどのライトユースの気軽な使い勝手のまま、MTBなどのオフロードなどの「エッセンス」を楽しめるようなコンポーネントとなっています。
ESSAとして新しくラインアップされたパーツ
今回、ESSAグレードとして発表されたのは「U2000」シリーズ1。
ESSAブランドのパーツとして独立しているのは、フロントシングル・コンポーネントとして使うためのクランセットとリアディレイラーのみです。
種類 | 型番 |
---|---|
リアディレイラー | RD-U2000-1 |
クランクセット | FC-U2000 |
既存のシマノの8速コンポーネントは、フロントダブル・トリプルを前提としたドライブトレインになっていましたが、ESSAはフロントシングルコンポーネント構成ため、フロントクランク「FC-U2000」は40Tか32Tのシングル仕様となっており、リアディレイラーがよりワイドな11-45Tに対応した「RD-U2000」に変更になっています。
そのほかのパーツは、既存の8速向けパーツやノンブランドグレードのパーツと組み合わせて使うことになります。
ESSAブランディングが追加された既存パーツ
ESSA・U2000シリーズ独自ではないパーツは、既存のパーツにESSAブランディングを追加する形になっています。
多くはACERAグレードのパーツをESSAと共用する形になっているため、シマノの公式サイトで型番で調べても、どのコンポブランド配下にあるかでブランドが変わりますが、どちらも同じ製品です。
種類 | 型番 |
---|---|
スプロケット | CS-HG400-8 |
油圧ブレーキレバー | BL-MT200 |
シフト/ブレーキレバー | ST-EF515-8R |
シフター | SL-M315-8R |
レボ・シフター | SL-RV400-8R |
チェーン | CN-HG71 |
ESSAと既存シマノ8速コンポーネントとの互換性
ドライブトレインの互換性
ESSAは既存のシマノ8速コンポーネントと同じ「HYPERGLIDE」変速テクノロジーを採用しているため、既存の8速コンポーネント互換性があります。
ただし、以下の点に注意が必要です。
- FC-U2000、RD-U2000を使うならフロントシングル限定
- 11-45TのスプロケットはRD-U2000でのみ使える
「RD-U2000、RD-U2000、CS-HG400-8(11-45T)」がセットになっていると考えれば良いでしょう。
それ以外のチェーン、シフターについては既存のものを使うことができます。
その意味では、現在の8速ドライブトレインから「RD-U2000、RD-U2000、CS-HG400-8(11-45T)」に買い替えるだけで、MTBの最新トレンドを取り入れた8速バイクを組むことができるというのが、ESSAの最大の強みではないでしょうか。
なお、CS-HG400-8スプロケットに対応するACERAのリアディレイラー「RD-M3020-8」はロー最大40Tなため、11-45Tを使うことができません。
フレームとの互換性
ESSA・U2000シリーズとしては、スルーアクスル式、クリックリリース式、ナット式に対応していますが、FC-U2000-1のチェーンのリング歯数によってチェーンラインが変わるため、対応するリアのエンド幅が異なる2点に注意しましょう。
種類 | O.L.D.135mm | O.L.D.141mm | O.L.D.142mm | O.L.D.148mm |
---|---|---|---|---|
FC-U2000-1(40T) | ○ | - | ○ | - |
FC-U2000-1(32T) | ○ | ○ | ○ | ○ |
32Tモデルは、リアエンド135mm以上のほとんどフレームに対応していますが、40Tモデルはディスクブレーキ・クロスバイクやエントリーMTBに多いリアエンド135mmクイックリリースと、ロード用スルーアクスルの142mmにのみ対応します。
なお、FC-U2000-1の対応リアエンドは最低でも135mmとなっているため、シマノの公式的にはリアエンドが130mmのリムブレーキフレームには対応していないということになります。
ブレーキの互換性
ESSAはフラットバー・バイク向けのコンポーネントのため、ブレーキはドライブトレインとは分離しているため、ブレーキは自由につけることが可能です。
ESSA・U2000シリーズとしてブランディングされているブレーキは全て油圧ディスク・ブレーキですが、ESSAブランドのシフト/ブレーキ一体型レバー「ST-EF515-8R」を使わない場合は、機械式ディスク・ブレーキやVブレーキ、ローラーブレーキを使うことも可能です。
シマノの互換チャートでも、リムブレーキ用ハブ「FH-T3000」やローラーブレーキ用ハブ「FH-IM70」と互換があるとされています3。
そのため、Vブレーキのクロスバイクやローラーブレーキの電動アシスト自転車でも、ESSA・U2000シリーズに組み替えることで、現在のMTBのトレンドである「超ワイドレシオな、フロントシングルバイク」にカスタマイズが可能となります。