シマノのロードバイク、MTB、クロスバイク用コンポーネントで採用されているチェーンの互換性を解説。チェーンの選び方について解説します。
シマノの11速スプロケットの互換性を徹底解説
公開日: 2024/03/12
シマノの11速スプロケットを使う上で重要な「取り付けるホイール(フリーハブ)」と「ドライブトレイン」の二つの互換性について解説します。
この記事の目次
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シマノの11速スプロケットの互換性を理解するポイント
シマノの11速スプロケットの互換性は、
- 変速テクノロジー
- ホイール(フリーボディ)との互換性
- ディレイラーとの互換性
の3つの互換性をチェックします。
特殊なのはホイール(フリーボディ)との互換性で、対応するホイールも変わってくるため注意しましょう。
変速テクノロジーと互換性
シマノの11速スプロケットには、
の二つの変速テクノロジー用のモデルがあります。
似たような名前ですが、この二つには互換性がないため、まず自身の自転車がどちらのテクノロジーのコンポーネントで構成されているかを確認しましょう。
「CUES 11s」か「DEORE XT 11s LINKGLIDE」コンポーネントの場合は「LINKGLIDE」、それ以外は「HYPERGLIDE」です。
9速コンポーネント | HYPERGLIDE | LINKGLIDE |
---|---|---|
ロード系11速 | ◎ | - |
HYPERGLIDE系MTB向け11速 | ◎ | - |
CUES 11s | - | ◎ |
Deore XT 11s LINKGLIDE | - | ◎ |
シマノ・11速スプロケットの種類やモデルごとの特徴、端数構成については下記の記事をどうぞ。
ホイール(フリーボディ)との互換性とスペーサーの有無
シマノの11速スプロケットは、
- HYPERGLIDE ロード11速
- HYPERGLIDE MTB11速
- LINKGLIDE 11速
の3種類の互換が存在します。
一部ロード向け11速スプロケットは「HG Spline M」規格のものが存在しますが、基本的には「HG Spline L」規格です。一方で、HYPERGLIDE MTB11速とLINKGLIDE 11速は1.85mm高さが低い「HG Spline M」フリーボディに互換します。
そのため、どちらのタイプのスプロケットを選ぶかで、互換するホイールが変わってきます。
フリーボディ | HYPERGLIDE ロード11速 | HYPERGLIDE MTB11速 | LINKGLIDE 11速 |
---|---|---|---|
Micro Spline(シマノ・MTB12速) | - | - | - |
HG Spline L2(シマノ・ロード12速) | - | - | - |
HG Spline L(シマノ・ロード11/12速) | ◎ | ◎ 1.85mmスペーサー |
◎ 1.85mmスペーサー |
HG Spline M(シマノ8〜11速) | - | ◎ | ◎ |
シマノ10速専用 | - | - | - |
「なぜ、1.85mm低いのに同じ11速スプロケットになるのか?」というと、「HG Spline M」規格の11速スプロケットは、1速ギアがフリーボディよりも下に(スポーク側)にせり出す形になっているためです。
そのため、「HG Spline M」規格の11速スプロケットは、スポークとの干渉を避けるためにワイドレシオな構成のみになっていますが、それでもスポークと干渉する可能性はある点に注意しましょう。
混乱しやすいシマノのスプロケットとホイールの互換性をわかりやすく解説
どのホイールがシマノのどのスプロケットに互換するのか、いろんな組み合わせがあって意外と混乱しがちです。今回は、ホイール・スプロケットの規格から、スプロケットとホイールの互換をわかりやすく、覚えやすく解説します。
ディレイラーとの互換性
シマノの11速スプロケットとディレイラーの互換性は、
- 変速テクノロジー
- 適合するギアレンジ・キャパシティ
の2つの観点から互換性を確認するだけなので、シンプルです。
同じ型番のディレイラーでもギアレンジごとに枝番がわかれている場合がある点だけ注意しましょう。
シマノのリアディレイラーのSS・GSとは?違いや見分け方、選び方
シマノのリアディレイラーの型番に記載されている「SS」「GS」の表示。それぞれの違いや見分け方、どちらを選べば良いのか互換性も含めて解説します。
HYPERGLIDEシリーズ
シマノのHYPERGLIDEテクノロジー11速用リアディレイラーのラインアップは、ロード用の3グレード、グラベル用1グレード、MTB用の5グレードがあり、さらにモデルごとにSS(ショート・ケージ)とGS(ミディアム・ケージ)SGS(ロング・ケージ)があるため、ラインアップが非常に豊富です。
シリーズ | グレード | SS | GS | SGS |
---|---|---|---|---|
R9100 | DUEA-ACE | ◎ | ◎ | - |
9000 | DUEA-ACE | ◎ | - | - |
R8000 | ULTEGRA | ◎ | ◎ | - |
6800 | ULTEGRA | ◎ | ◎ | - |
R7000 | 105 | ◎ | ◎ | - |
5800 | 105 | ◎ | ◎ | - |
RX810 | GRX | - | ◎ | - |
RX600 | GRX | - | ◎ | - |
M9000 | XTR | - | - | ◎ |
M8000 | Deore XT | - | - | ◎ |
M7000 | SLX | - | - | ◎ |
M5100 | Deore 11s | - | - | ◎ |
M4120 | Deore 10s | - | - | ◎ |
データ量が膨大でß表が見にくくなるため、ここでは詳細なギアスペックは記載していませんが、各ディレイラーごとにケージごとの使用可能ギア構成が異なるため、スプロケットを交換する際には必ずリアディレイラーのスペックを確認しましょう。
LINKGLIDEシリーズ
シマノのLINKGLIDEテクノロジー11速用リアディレイラーのラインアップは、現行ラインでは下記通りです。
モデル | ケージ | ロー・ギア | トップ・ギア | トータルキャパシティ | 最大フロントギア歯数差 |
---|---|---|---|---|---|
RD-U80003 | - | 39〜50T | 11T | 39T | 0T |
RD-U80204 | - | 45T | 11T | 48T | 14T |
RD-U6020-115 | - | 45T | 11T | 48T | 14T |
RD-M8130-SGS6 | SGS(ロング・ケージ) | 50T | 11T | 39T | 0T |
CUES 11sモデルが3種類と、Deore XT 11s LINKGLIDEの合計4種類があります。
「RD-U8020」と「RD-U6020-11」の型番が4桁部分に「20」が配布モデルはフロントダブル・モデル、そしてRD-U8000以外は「リアディレイラーが対応するスプロケットの端数構成が固定」という点に注意しましょう。