自転車のディスクローターの歪みとは?起こる原因と歪みを補正する方法
ディスクブレーキ自転車のディスクローター付近から「シュッシュッ」という異音が聞こえたら、ディスクローターの歪みの可能性があり。なぜディスクローターの歪みは起こるのか、歪みを補正する方法をまとめました。
更新日: 2022年6月6日
公開日: 2020年12月28日
どのホイールがシマノのどのスプロケットに互換するのか、いろんな組み合わせがあって意外と混乱しがちです。今回は、ホイール・スプロケットの変遷をみていくことで、スプロケットとホイールの互換をわかりやすく、覚えやすく解説します。
この記事の目次
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対応スプロケットからホイールを選んでいくと、いくつか種類があることがわかります。
これまでは、ホイールの種類は大きく分けて5つでしたが、2021年9月に新DURA-ACE・R9200系が発表され、ロードの12速専用ホイールが登場したため、現在では、
の6種類になっています。
それぞれ特徴があるので、詳しく見ていきましょう。
シマノのコンポーネントでいうと、スプロケットの厚み(高さ)は、
12速 = 11速 > 9速 = 8速 > 10速 > 7速
となります。
段数の順番通りじゃないので少し混乱しますが、「10速だけ一つ小さい、あとは段数の順番通り」と覚えると覚えやすいです。なお、12速については特殊な仕様になっています。
ここからが混乱しがちなところなのですが、スプロケットの段数は上位グレード・新しい製品になるほど段数が増えます。しかし、先ほどみてきた通り、スプロケットのサイズで見てみると必ずしもそうなっていません。
なぜこんなことが起きるかというと、
ことが要因です。
ですので、世の中の8速ホイール、9速ホイール、10速ホイールは、「8速、9速、10速の全てに互換性がある」可能性が高くなります。特に、中古でホイールを探す場合、メーカーの汎用ホイールは最大段数が10速の場合は、8速、9速、10速の全てに互換していることがほとんどです。
先ほど「互換性がある可能性が高くなる」と書いたのはここが要因です。
あまり普及はしませんでしたが、世の中には「10速専用ホイール」というのがあります。ここまで見てきた通り、10速スプロケットは8速よりも幅が小さく、7速よりも幅が大きいので、このホイールに互換性があるのは「10速スプロケットだけ」になります。
「10速ホイールは8・9速にも対応しているから、10速専用ホイールでも8・9速が使える」と勘違いしないように注意が必要です。
ここ数年で発売された新品ホイールは基本的には11速ホイールです。
先ほど見た通り、11速スプロケットはシマノのスプロケットで最大の幅になっていますので、11速ホイールは、7速から11速までの全てのスプロケットに互換します。(11速以外はスペーサーが必要)
2021年9月に発表されたシマノのロード12速スプロケットは、11速フリーボディにも対応する設計となっているため、11速ホイールは12速スプロケットにも対応します。
ただし、もう一つのシマノの12速スプロケットであるMTB向けのスプロケットは、11速ホイールとは互換性がありません。
シマノのコンポーネントが12速化した際に、スプロケットを取り付けるフリーボディの仕組みが変更され、スリットの数が増えています。そのため、一部を除いて、シマノ12速ホイールは11速以下のスプロケットと互換性がありません。
また、シマノの12速スプロケット対応ホイール同士でも、ロード向け12速とMTB向け12速「MICRO SPLINE」でフリーボディの形状が異なっている(スリットの本数が違う)ため、ロード向けとMTB向けでは互換性はありません。
上記のMTB向けフリー規格「MICRO SPLINE」を紹介するシマノの公式動画では、カセットと接続するスリットが細くなり、スリット数が23本に増えていると解説されています。(従来は9本、ロード向け12速は18本)
なお、先程の「一部のホイール」に当たるのが、シマノの新ULTEGRAのホイール・WH-R8170シリーズで、このホイールは12速と11速のスプロケットに対応しています。同時期に発売された、新DURA-ACEのWH-R9200シリーズは12速専用です。
SHIMANO (シマノ) WH-R8170 C36 チューブレスディスクブレーキ ホイール
メーカー | シマノ |
---|---|
ブランド | ULTEGRA |
対応スピード | 8速,9速,10速,11速,12速 |
対応タイヤ | チューブレス |
シマノの12速スプロケットは、
の5種類があります。このうち、MTB系の12速スプロケットは「MICRO SPLINE」を採用しているため、11速以下と互換性がありません。
一方で、ロード向けの12速スプロケットである「CS-R9200-12(DURA-ACE)」「CS-R8100-12(ULTEGRA)」は、12速フリーボディだけでなく従来の11速ホイールのフリーボディとも互換性があると、シマノの公式サイト上にも記載されています。
スプロケットの分解画像を見ると、ロックリングこそスリットが従来の形式ですが、歯の方には18本のスリットが入っていることがわかります。
スリットの数が違うため、ロード向け12速のスプロケットやホイールは、MTB系のMICRO SPLINEホイール・スプロケットとは互換性がないと思われます。
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シマノのロードバイク向けスプロケットと、MTB向けスプロケットは、11速まではフリーボディの仕様が同じため、同じ変速数同士であればスプロケットを取り付けることが出来ます(一部のMTB・11速スプロケットを除く)。実際に、シマノの一部のスプロケットはロードとMTBの共用となっています。
ただし、スプロケットが取り付けできたとしても、リアディレイラーのキャパシティに違いがあるため、ドライブトレイン全体として互換性があるとは限りません。
例えば、同じ11速でも、ロード向けのリアディレイラー・RD-R7000-GSはトップ最大が11T、ロー最大が34Tなので、MTB向けの11速スプロケットである「CS-M9001(10-45T、10-51T)」や「CS-M5100-11(11-51T、11-42T)」は使えませんし、逆にMTB向けのリアディレイラー・RD-M5120-SGSは、ロー最小が42Tとなっているため、ロード向けスプロケットは使えません。
その意味では、ロード向けのスプロケットとMTB向けのスプロケットで互換性があるのは「10速まで、かつリアディレイラーのキャパシティ範囲内のもののみ」と言えます。
ここまで見てきたホイールとスプロケットの互換性を表にしてみてみましょう。必要なスペーサーも同時に記載します。
ホイール | 7速 | 8速 | 9速 | 10速 | 11速 | 12速(MTB) | 12速(ロード) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
7速ホイール | ○ | x | x | x | x | x | x |
8速ホイール | ○ (4.5mmスペーサー) |
○ | ○ | ○ (1.85mmスペーサー) |
x | x | x |
9速ホイール | ○ (4.5mmスペーサー) |
○ | ○ | ○ (1.85mmスペーサー) |
x | x | x |
10速汎用ホイール | ○ (4.5mmスペーサー) |
○ | ○ | ○ (1.85mmスペーサー) |
x | x | x |
10速専用ホイール | x | x | x | ○ | x | x | x |
11速ホイール | ○ (4.5mm+1.0mmスペーサー) |
○ (1.0mmスペーサー) |
○ (1.0mmスペーサー) |
○ (1.85mm+1.0mmスペーサー) |
○ | x | ○ |
12速専用ホイール(MTB) | x | x | x | x | x | ○ | x |
12速専用ホイール(ロード) | x | x | x | x | x | x | ○ |
11/12速ホイール(WH-R8170) | x | x | x | x | ○ | x | ○ |
段数ホイールによってフリーボディのサイズや形状が異なるため、スプロケットを装着する際のスペーサーにも違いがあることがわかります。
SHIMANO (シマノ) ロースペーサー 1.0mm Y1Z807000
メーカー | シマノ |
---|---|
サイズ (高さ) | 1.0mm |
SHIMANO (シマノ) ロースペーサー 1.85mm Y4T724000
メーカー | シマノ |
---|---|
サイズ (高さ) | 1.85mm |
11速ホイールは全てに対応しますが、11速スプロケット以外はスペーサーが必要です。一方で、8〜10速ホイールは7速・10速以外はスペーサーが不要です。10速専用ホイールは10速しか使えませんので、当然スペーサーは不要です。
混乱しがちですが、汎用10速ホイールをベースに覚えるとわかりやすいでしょう。そこから11速ホイールになると、「追加で1.0mmスペーサーが必要」になると覚えます。
完成車のホイールは、メーカー側が「XX速対応ハブ」などと書いてくれれば対応段数がわかりますが、書いていない場合は、「現在のスプロケットとスペーサーの有無」を確認すれば、対応するスプロケットの段数がわかります。
7速完成車の場合は、11速までのスプロケットの中で一番小さいスプロケットを装備しているので、その他の段数に対応することはほぼありません。
例外としては、8〜10速向けのホイールを流用している場合は、4.5mmスペーサーが入っているはずなので、スペーサーがあれば8・9・10速に対応します。
入門向けのCLARIS、SORAグレードの完成車のリアホイールに1.0mmスペーサー付きでスプロケットが装着されていれば、そのホイールは11速までの全ての段数に対応します。
スペーサーがなければ8・9・10速に対応します。
ミドルグレードのTIAGRAグレードの完成車でホイールにスプロケットがスペーサーがなしで装着されていた場合は、10専用ホイールなので、8・9速では使えず、10速でしか使えません。
一方で、1.85mmスペーサーのみが入っていた場合は、8・9・10速が、1.0mm+1.85mmスペーサーが入っていた場合は、11速までの全てのスプロケットが使えます。
11速完成車の場合は、11速は全てのスプロケットの中で一番幅が大きいので、スペーサーを使えば全てのスプロケットが使えるホイールになります。
現行の11速は105グレード以上なので、そこの完成車から10速以下の下位グレードに落とすことはほぼないかと思いますが、中古などで完成車外しのホイールを購入する場合は注意が必要です。
メーカー | シマノ |
---|---|
ブランド | ULTEGRA |
対応スピード | 8速,9速,10速,11速,12速 |
対応タイヤ | チューブレス |
メーカー | シマノ |
---|---|
サイズ (高さ) | 1.0mm |
メーカー | シマノ |
---|---|
サイズ (高さ) | 1.85mm |
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