シマノのロードバイク、MTB、クロスバイク用コンポーネントで採用されているチェーンの互換性を解説。チェーンの選び方について解説します。
シマノの10速スプロケットの互換性を徹底解説
公開日: 2024/03/12
シマノの10速スプロケットを使う上で重要な「取り付けるホイール(フリーハブ)」と「ドライブトレイン」の二つの互換性について解説します。
この記事の目次
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シマノの10速スプロケットの互換性を理解するポイント
シマノの10速スプロケットの互換性は、
- 変速テクノロジー
- ホイール(フリーボディ)との互換性
- 新旧10速
- ディレイラーとの互換性
の4つの互換性をチェックします。
他の変速数よりもやや複雑ですが、一つ一つしっかりチェックすれば必ず理解できるかと思います。
変速テクノロジーと互換性
シマノの10速スプロケットには、
の二つの変速テクノロジー用のモデルがあります。
似たような名前ですが、この二つには互換性がないため、まず自身の自転車がどちらのテクノロジーのコンポーネントで構成されているかを確認しましょう。
「CUES 10s」か「DEORE 10s LINKGLIDE」コンポーネントの場合は「LINKGLIDE」、それ以外は「HYPERGLIDE」です。
9速コンポーネント | HYPERGLIDE | LINKGLIDE |
---|---|---|
「TIAGRA」「GRX」などロード系10速 | ◎ | - |
「DEORE 10s」などHYPERGLIDE系MTB向け10速 | ◎ | - |
CUES 10s | - | ◎ |
DEORE 10s LINKGLIDE | - | ◎ |
シマノ・10速スプロケットの種類やモデルごとの特徴、端数構成については下記の記事をどうぞ。
ホイール(フリーボディ)との互換性とスペーサーの有無
シマノの10速スプロケットは、大きく分けると「HYPERGLIDEモデル」と「LINKGLIDEモデル」があり、「HYPERGLIDEモデル」は「新10速」「旧10速」があります。
つまり、シマノの10速スプロケットには、
- HYPERGLIDE 新10速
- HYPERGLIDE 旧10速
- LINKGLIDE 10速
の3種類の互換が存在します。
各スプロケットとフリーボディの互換性は下記の通りになります。
フリーボディ | HYPERGLIDE 新10速 | HYPERGLIDE 旧10速 | LINKGLIDE 10速 |
---|---|---|---|
Micro Spline(シマノ・MTB12速) | - | - | - |
HG Spline L2(シマノ・ロード12速) | - | - | - |
HG Spline L(シマノ・ロード11/12速) | ◎ 1.85mmスペーサー |
◎ 1mm + 1.85mmスペーサー |
◎ 1.85mmスペーサー |
HG Spline M(シマノ8〜11速) | ◎ | ◎ 1mmスペーサー |
◎ |
シマノ10速専用 | - | ◎ | - |
どのモデルも「HG Spline M」規格フリーハブと互換性がありますが、「HYPERGLIDE 旧10速」については「HG Spline M」規格よりもスプロケットの高さが1mm低いという違いがあります。
そのため、1mmスペーサーを使うことで、他の10速スプロケットと同条件になります。
なお、「高さが1mm低い、HYPERGLIDE 旧10速」に当たるスプロケットは、CS-7900、CS-7800、CS-6700、CS-6600、CS-5700、CS-5600の旧型10速コンポーネントの6種類のみ3で、現行のシマノの10速には採用されていません。
シマノのフリーボディの互換性については、下記の記事もどうぞ。
混乱しやすいシマノのスプロケットとホイールの互換性をわかりやすく解説
どのホイールがシマノのどのスプロケットに互換するのか、いろんな組み合わせがあって意外と混乱しがちです。今回は、ホイール・スプロケットの規格から、スプロケットとホイールの互換をわかりやすく、覚えやすく解説します。
ディレイラーとの互換性
シマノの10速スプロケットとディレイラーの互換性は、
- 変速テクノロジー
- 適合するギアレンジ・キャパシティ
- 対応するスプロケットの組み合わせ
の3つの観点から互換性を確認します。
適合するギアレンジ・キャパシティは同じ型番のディレイラーでもギアレンジごとに枝番がわかれている場合があるため、注意が必要です。
シマノのリアディレイラーのSS・GSとは?違いや見分け方、選び方
シマノのリアディレイラーの型番に記載されている「SS」「GS」の表示。それぞれの違いや見分け方、どちらを選べば良いのか互換性も含めて解説します。
他の変速数と違うのは「対応するスプロケットの組み合わせ」がある点です。なお、この「対応するスプロケットの組み合わせ」があるのは、HYPERGLIDEシリーズの10速のみです。
HYPERGLIDEシリーズ
シマノのHYPERGLIDEテクノロジー10速用リアディレイラーのラインアップは、新旧10速モデル、そしてそれぞれのケージサイズがあるため、ラインアップが豊富です。
モデル | ケージ | ロー・ギア | トップ・ギア | トータルキャパシティ | 最大フロントギア歯数差 |
---|---|---|---|---|---|
RD-4700-SS4 | SS(ショート・ケージ) | 25〜28T | 11〜14T | 33T | 16T |
RD-4700-GS5 | GS(ミディアム・ケージ) | 28〜34T(2x), 25〜32T(2x) | 11〜12T | 41T | 16T(2x), 20T(3x) |
RD-RX4006 | - | 32〜36T | 11T | 41T | 16T |
RD-RX350-10-SS7 | SS(ショート・ケージ) | 30〜34T | 11〜12T | - | 14T |
RD-6700-A-SS | SS(ショート・ケージ) | 23〜30T | - | - | - |
RD-5701-A-SS | SS(ショート・ケージ) | 25〜30T | 11〜14T | 34T | 16T |
RD-4601-A-SS | SS(ショート・ケージ) | 25〜30T | - | - | - |
RD-6700-A-GS | GS(ミディアム・ケージ) | 23〜30T | - | - | - |
RD-5701-A-GS | GS(ミディアム・ケージ) | 27〜32T(2x), 25〜30T(2x) | 12(2x), 14T(3x) | 40T | 16T(2x), 20T(3x) |
RD-4601-A-GS | GS(ミディアム・ケージ) | 27〜32T | - | - | - |
また、各リアディレイラーには新・旧10速スプロケットの互換性があります。
モデル | 新10速スプロケット | 旧10速スプロケット |
---|---|---|
RD-4700-SS4 | ◎ | ◎ |
RD-4700-GS5 | ◎ | ◎ |
RD-RX4006 | ◎ | ◎ |
RD-RX350-10-SS7 | ◎ | ◎ |
RD-6700-A-SS | - | ◎ |
RD-5701-A-SS | - | ◎ |
RD-4601-A-SS | - | ◎ |
RD-6700-A-GS | ◎ | ◎ |
RD-5701-A-GS | ◎ | ◎ |
RD-4601-A-GS | ◎ | ◎ |
※ キャパシティ的に対応しないモデルもあり
RD-6700、RD-5700、RD-4600のSS(ショート・ケージ)だけが新10速スプロケットに対応していませんが、現在も入手できる製品では「CS-HG500-108」が、「全ての10速シリーズ」に対応するスプロケットとなっています。
LINKGLIDEシリーズ
シマノのLINKGLIDEテクノロジー10速用リアディレイラーのラインアップは、現行ラインでは下記通りです。
モデル | ケージ | ロー・ギア | トップ・ギア | トータルキャパシティ | 最大フロントギア歯数差 |
---|---|---|---|---|---|
RD-U6020-109 | - | 39T | 11T | 44T | 16T |
RD-U600010 | - | 48〜50T | 11T | 39T | 0T |
RD-M5130-GS11 | GS(ミディアム・ケージ) | 43T | 11T | 32T | 0T |
CUES 10sモデルが2種類と、Deore 10sのLINKGLIDEの合計3種類があります。
RD-U6020-10のみがフロントダブルに対応、それ以外はフロントシングル専用となっているため、ローギアの対応歯数に大きく違いがあります。