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チューブラータイヤのメリット・デメリット
更新日: 2022年6月13日
公開日: 2022年3月22日
性能に拘るユーザーが選ぶタイヤのタイプ「チューブラー」。今回は、チューブラータイヤのメリット・デメリット、どういうユーザーにマッチしているかなどをまとめました。
この記事の目次
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チューブラータイヤのメリット
パンクしづらい
チューブをタイヤで丸っと包み込んでいるので、リム打ちパンクはまず起こりませんし、タイヤ内でチューブがズレることで発生しやすくなるチューブの摩耗によるパンクもほぼありません。
チューブラータイヤをパンクさせるのは、路面の釘などの遺物が刺さった時が多く、しかも仮にパンクしたとしても空気が抜ける経路がタイヤに開いた穴しかないため、スローパンク(徐々に空気が抜ける)になります。そのため、仮にパンクをしたとしてもある程度の距離を走ることが可能です。
パンクは自転車の中でもメジャーなトラブルの一つなので、パンクが減るというだけでもチューブラーを選ぶメリットはあります。
走行性能が上がる
チューブラータイヤはホイール・リムの上にタイヤを密着させているので、タイヤとチューブの摩擦でエネルギーロスが発生するクリンチャータイヤと比べて、走行時のエネルギーロスが少ないと言われています。
また、ラテックスなどの柔らかい素材のチューブで形を支えているクリンチャーに対して、チューブラーはタイヤ自体で形を支えているため、走行時の変形が少なく、安定走行が可能になるとも言われています。
リムの強度が出る
こちらはタイヤというよりかはホイールのメリットになりますが、チューブラータイヤはリムの上でに乗せる方式なので、ホイール・リムの溝を浅くすることができます。
ホイール・リムの溝が浅いということは、それだけリムに厚みをつけて強度を出すことが出来るので、カーボンなどの軽い素材でも強度を出すことができます。リムに厚みを出せるので、カーボンリムの難点である「高熱による変形」もある程度防ぐことができます。
実際、リムブレーキ用のカーボン・ホイールは、強度の問題からチューブラータイヤ専用モデルが多く、シマノの最新DURA-ACE・R9200シリーズのホイールでも、リムブレーキモデルで唯一残ったのはチューブラータイヤモデルのみです。
意外とタイヤ交換が楽
チューブラータイヤというと交換が大変というイメージがありますが、
- リムにチューブラーテープを貼る
- タイヤをはめる
- タイヤのセンターを出す
- シーラントを入れる(必要に応じて)
- 空気を入れる
というだけなので、実は取り付けるだけならチューブラータイヤーはクリンチャーよりも簡単です。
クリンチャーのように、チューブを噛んでしまっていないか、しっかりとハマっているかなどをチェックする手間もありません。
その反面、外す際はテープをしっかりと剥がす必要があるので、クリンチャーよりも手間があります。
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チューブラータイヤのデメリット
タイヤの選択肢が狭い
かつては本格派が選ぶロードバイク・タイヤの主流だったチューブラーですが、現在では一般ユースはクリンチャーに置き換わり、プロユースについてはチューブレスへと徐々にシフトされつつあり、マイナーなタイヤとなってしまいました。
マイナーになるだけなら良いですが、タイヤメーカーがリリースする新作タイヤは「チューブレス、チューブレス・レディがメインで、クリンチャーも何とか残っている」という状態で、チューブラーの新作が出ないメーカーもあり、選択肢は年々狭くなってきています。
値段が高い
チューブラータイヤは、タイヤの中にチューブが入っているとはいえ、クリンチャータイヤと比較すると高額で1本8千円くらいが相場。クリンチャータイヤならミドルグレードのタイヤが前後で買えてしまう価格です。
クリンチャータイヤに比べて耐久性が高いためコスパ的には良いこともありますが、チューブラータイヤはチューブの交換が非常に手間(縫い付けられている糸を解いて、チューブ交換後にまた縫う必要がある)で、メンテナンスができない場合は、タイヤごと交換をするためコスパが悪くなります。
メンテナンスが手間
チューブラータイヤは、ホイール・リムの溝に嵌め込むタイプのクリンチャー、チューブレスと違って、リムの上に乗っける形になるため、リムとタイヤをセメント・シールで固定する必要があります。
そのため、タイヤを交換する時がやや手間で、「外したらテープやセメントをしっかりと除去する必要がある」というデメリットがあります。
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メーカー | パナレーサー |
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内容量 | 33g |
チューブラータイヤを選びたいシーン
リムブレーキ車でカーボンホイールを使いたい場合
リムを摩擦させることで制動をしているリムブレーキ車では、最近まではアルミホイールがメインでした。軽量化のためにカーボンリムのホイールも登場しましたが、ここ数年で業界的にディスクブレーキへのシフトが起こっているため、「リムブレーキかつカーボンホイールで安心して使える」というのはチューブラーホイールモデルがメインになりつつあります。
新DURA-ACE・R9200シリーズのホイールで、リムブレーキモデルで唯一残ったのはチューブラータイヤモデルというのも大きな後押しでしょう。
ロードバイクの新作ホイールは「ほぼディスクブレーキモデルのみ」にシフトしているので、リムブレーキの軽量・高性能なモデルとしてはかなり貴重です。
タイヤによるエネルギーロスを減らしたい場合
ストイックに機材のパワー効率を求めるのであれば、エネルギーロスが少ないチューブラータイヤは良い選択肢です。実際に、「利便性よりも性能が欲しい」というユーザーからの支持はまだまだ多くあります。
メンテナンスの手間や価格を考えると気軽に手が出せるタイヤ・タイプではないですが、良い機材で走りたいと思うのであれば、チューブラーを選ぶと良いでしょう。
この記事で紹介したアイテム
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