自転車のディスクローターの歪みとは?起こる原因と歪みを補正する方法
ディスクブレーキ自転車のディスクローター付近から「シュッシュッ」という異音が聞こえたら、ディスクローターの歪みの可能性があり。なぜディスクローターの歪みは起こるのか、歪みを補正する方法をまとめました。
更新日: 2022年11月15日
公開日: 2022年7月13日
グラベルロードバイクの流行とディスクブレーキの普及によって、ロードバイクのホイールサイズも定番の700Cだけでなく650Bという選択肢も選ばれるようになってきました。今回は、700Cと650Bの違い、それぞれのメリット・デメリットを見ていきます。
この記事の目次
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ここ数年のグラベルロードバイクの流行と共に注目されているのが650Bホイール。
ロードバイクで定番の700Cホイールと650Bホイールの違いは「ホイールリムの直径」で、700Cは622mm、650Bは584mmと、650Bの方がホイールリムの直径が38mm(3.8cm)小さくなる点です。
ホイールリムの周長だけで比較すると小さくなる650Bですが、グラベルロードでは44Cなどの太いタイヤを装着するため、太いタイヤを装着するとリム直径の差である38mmをほとんど吸収してしまうため、タイヤの周長では大きな差がなくなります。
ロード界隈では650Bというサイズで表記されますが、実はMTBの27.5インチと同じです。ですので、650Bのホイールは27.5インチのMTBでも使うことができます。
MTBは太いタイヤを履くので、700C(29er)だと車高が高くなり取り回しが大きくなることから、MTBでは27.5サイズが街乗りやエントリーモデルで定番化しています。
「700Cのバイクに650Bホイールは取り付けができない」というのがこれまでの常識でした。これは従来のブレーキがホイールリムを挟むタイプのブレーキだったためで、「リムが小さくなる = ブレーキアームが届かない = 別サイズは取り付けができない」という理由でした。
しかし、ローターを挟むディスクブレーキが普及したことで、フレームからリムへの距離はブレーキには無関係となり、700Cのバイクでも650Bのホイールが取り付けが可能になったわけです。
逆にいうと、リムブレーキ、Vブレーキのスポーツバイクでは、700Cホイールのモデルに650Bのホイールは装着できません。
700Cホイールから650Bホイールにすることで、ホイールリムの直径が小さく直径が小さくなります。小さくなると、
というメリットが出てきます。
まず大きな違いがホイールサイズが小さくなることで、ハンドリングの小回りが効くようになります。舗装路はカーブが緩やかですが、MTBコースなどは鋭角なカーブがあるためこの差は大きくなります。
次に大きいのが43Cなどの太いタイヤを取り付けても、フレーム・フォークのクリアランスが確保出来る点です。
例えば、700-25Cと650-45Bが大体同じタイヤ周長と言われているため、最大700-28Cくらいのクリアランスがないフレームでも、650Bのホイールであれば43Cの太いタイヤを装着できます(タイヤ幅に問題がない場合)。
太いタイヤを取り付けることでタイヤ内部のエアボリュームが増え、タイヤのクッション性が上がり、振動吸収性能が高くなって乗り心地がよくなります。
一方で、650Bホイールには700Cと比べてデメリットもあります。
自転車ではホイールのサイズが小さいほど、たくさん回転させないと前に進めません。650Bホイールにすることでタイヤ周長が短くなると、直進性能はどうしても落ちてしまします。
「タイヤ周長が問題なら太いタイヤを装着して、700Cと同じタイヤ周長すれば良いのでは?」と思いますが、太いタイヤにすると今度はタイヤの外周部が重くなるため、やはり直進性能は落ちてしまいます。
グラベルなどの未舗装路での走破性を保ちつつ速く走りたいのであれば、700Cで35〜40Cほどのタイヤサイズを選ぶのがベストです。
次に大きいデメリットがホイール・タイヤの選択肢が少なさ。
650Bはここ数年でトレンドになってきている「ロードプラス」というジャンルになりますが、このジャンルはまだまだ対応する製品数が少ないのが現状です。
650Bタイヤはグラベルタイヤを中心に650Bの選択肢が増えてきています。例えば、日本でグラベルタイヤとして定番のPanaracerのGravelKingは、チューブレスモデルで650Bのラインアップがあります。
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ただ、サイズ展開は飛び飛びで、700Cほど細かいサイズ選択が出来ません。
また、ホイールについてはアルミ・カーボン、ローハイト、ディープリムと選択肢が広い700Cホイールと比較すると、650Bホイールの選択肢はかなり狭いと言わざるを得ません。
700Cホイールのメリットは、周長が大きいことによる回転性能の高さでしょう。700Cと650Bのホイールでは重量差はほとんどないので、同じ重量であれば周長が大きいほうが良く進みます。また、同じタイヤ周長でも、700Cの方が細いので、タイヤ自体も軽くなります。
700Cのデメリットとしては、ホイールリムの周長が大きいため、フレーム側に、太いタイヤを装着するためのクリアランスを広く取る必要があります。
グラベルロードバイクなどの太いタイヤを装着する前提のロードバイクは、クリアランスが広いジオメトリになっていますが、通常のレーサータイプのロードバイクは、空力効果を考慮して、タイヤとフレームの隙間はなるべく小さくなるように設計されています。
そのため、700-28Cくらいを想定して設計されたロードバイクでは、700-44Cなどの太いタイヤはクリアランス的に入りません。
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では、700Cと650Bのタイヤでどれくらい違いがあるのか、周長で比較してみると、700-25Cと650-44Bが概ね同じ周長ということがわかります。
サイズ | 700C | 650B |
---|---|---|
25 | 2111mm | 1991mm |
28 | 2130mm | 2010mm |
30 | 2142mm | 2023mm |
32 | 2173mm | 2035mm |
35 | 2168mm | 2054mm |
37 | 2186mm | 2067mm |
38 | 2192mm | 2073mm |
40 | 2205mm | 2086mm |
42 | 2217mm | 2098mm |
44 | 2230mm | 2111mm |
※ETRTOの規定周長サイズと異なる場合があります
参考:A Chart of Wheel Sizes with an explanation of BikeCalc’s math
では、700Cと650Bどちらが良いのかというと、「どれくらい太いタイヤを履きたいのか」に依存します。
30Cくらいの「そこそこ太いタイヤ」で良いのであれば、最近のディスクブレーキ・ロードバイクは28〜30Cくらいまでのクリアランスがあるので、走行性能が高い700Cを選んだ方が走りが軽くなります。ただし、30Cくらいでは、グラベルやダートを走った時の安定性はあまり高くありません。
グラベルやダートでの安定性をMTBレベルまで求めるのであれば、650Bを選択するメリットが出てきます。700-25Cと650-45Bが大体同じタイヤ周長なのでクリアランスの問題も解決でき、かつ650-42BがMTBでは少し細めとされる27.5×1.75サイズとほぼ同じなので、MTBくらいのタイヤサイズを装着できます。
注意したいのは「メインでどこを走りたいのか」で、4BCくらいの太いタイヤになると山道の未舗装路で安定性は出ますが、舗装路の走行感は700-28Cや700-30Cの細いタイヤよりも落ちます。
街乗りがメイン、もしくは山道がメインであれば650Bでゆったり走るのを楽しむ、幹線道路やサイクリングロードである程度の速度を出して走りたいなら700Cという選び方もありでしょう。
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