グラベル用GRXと組み合わせ可能なロード用コンポまとめ

最終更新日: 2023/10/30

公開日: 2021/02/05

シマノのグラベル用コンポーネント「GRX」シリーズと組み合わせ可能なロードバイク用コンポーネントについてまとめました。Mixして組むときの注意ポイントについても。

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ロード向けコンポと互換性が高いGRX

シマノのグラベル向けコンポであるGRXは、ロードバイクから派生したコンポーネントとなっているため、ロードバイクのパーツとの互換性が高くなっています。

具体的には、ドライブトレイン周りは、同じ段数で直近2世代のコンポであれば基本的に公式の互換性があります。チェーンやスプロケットは、同じ段数のものであればロード向けコンポと共用です。

ロード向けコンポと組み合わせる時のポイント

スピード数が同じパーツを組み合わせる

GRXとロード向けコンポをMixする場合は、大前提として「スピード数(変速段数)」が同じパーツ同士を組み合わせる必要があります。

GRXは、

  • GRX 12スピード
  • GRX Di2 11スピード
  • GRX 11(11スピード)
  • GRX 10(11スピード)

の4つのラインアップなので、ロード向けのシマノコンポでは現行のTIAGRA以上と互換します。

具体的な互換は下記の通りです。

モデル 型番 スピード 互換するロードパーツ
GRX 12スピード RX-820、RX-610 12s ULTEGRA・R8100系(スプロケットのみ)
105・R7100系
GRX Di2 11スピード RX-815 11s DURA-ACE・R9150系、9070系
ULTEGRA・R8050系、6870系
GRX 11スピード RX-810、RX-600 11s DURA-ACE・R9100系、9000系
ULTEGRA・R8000系、6800系
105・R7000系、5800系
GRX 10スピード RX-400 10s TIAGRA・4700系

GRXのブレーキを使う場合は、GRXは油圧ディスクブレーキのみのラインアップなため、対応するためロード向けSTIレバーについても油圧ブレーキ対応モデルのみが互換します。

シマノの10速コンポについては、TIAGRA 4700系などの「新10速」とULTEGRA 6700系や105 5700系の「旧10速」がありますが、GRXの10速はTIAGRA 4700系の「新10速」互換です。

当然ですが、同じスピード数でも電動(Di2)と機械式コンポは組み合わせが出来ません。

リアディレイラーのキャパシティに注意

シマノのロードバイク向けコンポーネントは、クロスレシオなスプロケットを前提としているため、リアディレイラーの最大歯数やキャパシティがMTB向けコンポに比べて小さくなっています。

最近のリアディレイラーでは、GS(ミドルケージ)モデルもラインアップされていますが、グラベルコンポの場合は、スプロケットがMTB向けの11-42Tや10-51Tなどワイドレシオな製品を選ぶこともあり、その場合、最大歯数が40を超えるものがあるので、ロード向けのGS(ミドルケージ)モデルでも対応できません。

ロー最大が36を超えるようなワイドレシオなスプロケットを使う際は、素直にGRXのリアディレイラーを選びましょう。

GRXのSTIレバーは全て「油圧ディスクブレーキ専用」

もう一つ注意したいのが、GRXシリーズのSTIレバーは全て「油圧ディスクブレーキ専用」ということです。GRXには機械式ブレーキ用のSTIレバーのラインアップがありません。

ロードバイクのディスクブレーキには、機械式と油圧式がありますが、「ワイヤーを引いて物理的にキャリパーを閉める」機械式と、「ホース内に充填したオイルの圧力の差でキャリパーを閉める」油圧式は、そもそも構造が違うため両立ができません。

また、シマノのロード向けコンポーネントには油圧式のリムブレーキはありませんので、リムブレーキも使えません。

ロードバイクをディスクブレーキ化するとなると、ホイールだけでなくフレームもディスク用のフレームを用意する必要があるため、全て揃えるとなると完成車を買うのと同じくらいのコストになる場合があります。

現在リムブレーキのロードバイクに乗っていて、GRXコンポを使ってグラベル化を検討しているのであれば、STIレバーだけはGRXではなくロード向けのGRXと互換するSTIレバーを使う方が、交換コストが少なくて済みます。

GRXコンポと互換性があるロード用STIレバー

GRXコンポと互換性があるロード向けのSTIレバーは下記の製品になります。

モデル GRXの型番 スピード 互換するロード用STIレバー
GRX 12(機械式変速) RX-820、RX-610 12s ST-R7100
GRX Di2(電動式変速) RX-815 11s ST-R9170、ST-R8070、ST-R785
GRX 11(機械式変速) RX-810、RX-600 11s ST-R9120、ST-R8020、ST-R8025、ST-R7020、ST-R7025、ST-RS685、ST-RS505
GRX 10(機械式変速) RX-400 10s ST-R4720、ST-R4725、ST-RS405

シマノのSTIレバーの型番は、ベースの型番(例:ST-91000)に50を足すと「Di2」、20を足すと「油圧ブレーキ用」、5を足すと「スモールハンド用」となる※1ので、70番台は「Di2の油圧」、20番台は「機械式の油圧」と覚えておけば良いでしょう。

※1: ST-R785、ST-RS685、ST-RS505、ST-RS405については例外

なお、上記の表にない、機械式シフト&機械式ブレーキのSTIレバー、例えば、105であればST-R7000などをGRXコンポとミックスして使いたい場合は、ブレーキのみを機械式ディスクブレーキキャリパーにすれば使うことが出来ます。

シマノ製品ならBR-RS303を使うか、シマノ公式互換外となりますが、GrowtacのEQUALなどを使えばGRXコンポとロード用機械式STIレバーを組み合わせることは可能です。

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ロード向け各コンポとの互換性

GRXとロード向けDURA-ACEの互換性

シマノのグラベル向けGRXとロードバイク向けのDURA-ACEで互換性があるのは、DURA-ACE・R9100系と9000系です。最新のR9200系はDi2 12速のため、変速システムはGRXとは互換がありません(クランクセット、ブレーキキャリパーのみ互換)。

  1. DURA-ACE・R9150系 => GRX Di2と互換
  2. DURA-ACE・R9100系、9000系 => GRX 11と互換
モデル 型番 スピード 互換するロードパーツ
GRX Di2 RX-815 11s DURA-ACE・R9150系、9070系
GRX 11 RX-810、RX-600 11s DURA-ACE・R9100系

※GRXのブレーキパーツを使う場合、互換するのはDURA-ACEの油圧対応パーツのみ

GRXとロード向けULTEGRAの互換性

シマノのグラベル向けGRXとロードバイク向けのULTEGRAで互換性があるのはULTEGRA・R8000系と6800系です。最新のR8100系はDi2 12速のため、変速システムはGRXとは互換がありません(クランクセットとスプロケット、ブレーキキャリパーのみ互換)。

  1. ULTEGRA・R8050系、6870系 => GRX Di2と互換
  2. ULTEGRA・R8000系、6800系 => GRX 11と互換
モデル 型番 スピード 互換するロードパーツ
GRX Di2 RX-815 11s ULTEGRA・R8050系、6870系
GRX 11 RX-810、RX-600 11s ULTEGRA・R8000系、6800系

※GRXのブレーキパーツを使う場合、互換するのはULTEGRAの油圧対応パーツのみ

GRXとロード向け105の互換性

シマノのグラベル向けGRXとロードバイク向けの105で互換性があるのは、105・R7100系(機械式)とR7000系、5800系です。

最新のGRX 12速シリーズは、変速が機械式オンリーとなっているため、ロード向けで唯一12速の機械式のラインアップがある105のR7100のみが互換します(STIレバー、F/Rディレイラー、スプロケット、クランクセット、ブレーキキャリパー)。

  1. 105・R7100系 => GRX 12と互換
  2. 105・R7000系、5800系 => GRX 11と互換
モデル 型番 スピード 互換するロードパーツ
GRX 12 RX-820、RX-610 12s 105・R7100系
GRX 11 RX-810、RX-600 11s 105・R7000系、5800系

※GRXのブレーキパーツを使う場合、互換するのは105の油圧対応パーツのみ

GRXとロード向けTIAGRAの互換性

シマノのグラベル向けGRXとロードバイク向けのTIAGRAで互換性があるのは、TIAGRA・4700系とGRX 10の組み合わせのみです。TIAGRA・4600系は旧10速のため互換性がありません。

  1. TIAGRA・4700系 => GRX 10と互換
モデル 型番 スピード 互換するロードパーツ
GRX 10 RX-400 10s TIAGRA・4700系

※GRXのブレーキパーツを使う場合、互換するのはTIAGRAの油圧対応パーツのみ

GRXとロード向けスプロケットの互換性

GRXとロードバイク向けのスプロケットは同じ変速数であれば、基本的に互換します。

スプロケットは互換性が広いパーツなので、同じ変速数でディレイラーの歯数キャパシティ内(フロント、リア、トータル)であれば、旧モデルのスプロケットでも使用可能です。

モデル 型番 スピード 互換するロードスプロケット
GRX 12 RX-820、RX-610 12s CS-R8101-12、CS-R7101-12、CS-HG710-12、CS-M8100-12、CS-M7100-12
GRX Di2 RX-815 11s CS-R9100、CS-R8000、CS-R7000、CS-9000、CS-6800、CS-5800
GRX 11 RX-810、RX-600 11s CS-R9100、CS-R8000、CS-R7000、CS-9000、CS-6800、CS-5800
GRX 10 RX-400 10s CS-6700、CS-5700、CS-4600

注意したいのは、最新のGRX 12スピード・シリーズのスプロケットです。

型番に「R」がつくCS-R0000系のロード向けスプロケットは、ロードバイクホイールで定番のHGスプラインL(いわゆるロード系シマノHG 11速)フリーボディに取り付け可能ですが、型番に「M」がつくCS-M0000系のMTB向けのスプロケットは、対応フリーボディがMicrosplineのみとなり、場合によってはホイールの交換も必要となります。

GRXのクランク、チェーンリングとロード向けクランクセットの互換性

GRXのクランクは、シマノのホローテックII規格なので、BBがホローテックIIのBBであればシマノのロード向けクランクと交換が可能です。

GRXチェーンリングとフロントディレイラーの互換性については、GRXは10〜12速コンポなのでロード向けの10〜12速と互換しそうな気がしますが、シマノ公式には「互換性があるのはGRXコンポ同士のみ」としています。ただし、フロント変速の互換性はそこまでシビアではないとも言われるため、公式互換外で使える可能性があります。

シマノの公式互換表ではフロント駆動はGRX同士のみ互換となっている

チェーンリングについては、GRX同士であればチェーンリングに互換性があるため、交換が可能です。

注意したいのはGRX以外のクランクとの互換性で、GRXのクランクのうちフロントダブルの「FC-RX810-2」「FC-RX600-11」は4アーム・PCD110で、シマノのロード向けフロントダブルのチェーンリングと数字上は同じ規格ですが、GRXチェーンリングが形状が特殊なため、ロード向けの4アーム・PCD110のクランクに取り付けは出来ません。

例えば、「105のクランクセットであるFC-R7000のチェーンリングを、FC-RX600-11の46-30Tのチェーンリングに交換して乙女ギア化する」ということは出来ないため、FC-RX600-11クランクセットごと交換する必要があります。


ロードバイク用コンポと相性が良いシマノのグラベル用GRX。基本的には互換性が高いですが、

  1. 同じスピード同士で組む
  2. 油圧システムに注意する
  3. スプロケットのロー最大・キャパシティに注意する
  4. スプロケットの取り付け規格(フリーボディ規格)に注意する

という点にだけ注意するようにしましょう。

新しいロードを買った後に、「もともと乗っていたロードをGRXコンポと組み合わせてグラベルにする」といった選択肢も出てくるので、自転車の楽しみ方の幅が広くなります。

シマノ・GRXとロードコンポの組み合わせに関するよくある質問

Q.

GRXはシマノのMTB用コンポと組み合わせできない?

A.
GRXとシマノのMTBコンポは、チェーンやスプロケットなどに互換性がありますが、変速系については互換性がないため、組み合わせて使うことができません。
Q.

グラベル用GRXとロードコンポをミックスするメリットは?

A.

グラベル用GRXとロードコンポをミックスするメリットは、

  1. 段階的にGRX化ができる
  2. パーツの選択肢が広がる

という点でしょう。

ロードバイクをグラベル化する際は、既存のロードパーツから段階的にパーツをGRXにするということができるため、初期コストを下げることができます。

また、GRXは現在4グレード展開ですが、ロード向けコンポと組み合わせることでロード向けのパーツが選択肢に入るため、重量や価格などの面で選択肢が増えます。

Q.

GRXとロードコンポをミックスして性能は落ちない?

A.

シマノの公式互換チャートに記載の組み合わせであれば、ミックスすることでパーツが持っている性能が落ちることは基本ないと思われます。

ただし、グレード違いのパーツを組み合わせると、下位グレードに引っ張られて性能が落ちる可能性はゼロではありません。

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