シマノのロード・MTB向け油圧ディスクブレーキのテクノロジー・規格と選ぶ際のポイント
ワイヤーを引くだけの機械式ブレーキと違い、油圧ディスクブレーキは様々な規格やメーカーごとのテクノロジーがあります。今回は、シマノの油圧ディスクブレーキのテクノロジー・規格をピックアップ。選ぶ際のポイントを紹介します。
更新日: 2023/09/05
公開日: 2021/01/08
シマノのグラベルロード向けコンポーネント・GRXのシリーズラインアップとそれぞれの特徴、GRXを選ぶメリット・デメリットについてまとめました。
この記事の目次
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シマノのGRXは、ロードバイク、MTBなどに続く新しいジャンル「グラベルロードバイク」向けのコンポーネントグレードです。
グラベルロードと通常のロードバイクの違いは、想定される走行環境。
ロードバイクは塗装された道路を走る前提、MTBは山岳などの悪路を走る前提ですが、グラベルロードは「塗装された道路」も「ある程度の悪路」も走れるように考えられた自転車です。ロードバイクとMTBの中間という位置付けになります。
GRXはそんなグラベルに最適化されたコンポなので、ロードの特徴とMTBの特徴をうまく融合させているのが特徴です。
シマノのロードバイク向けコンポだと、DURA-ACEを筆頭に、ULTEGRAなど現在では7つのグレードがあります。
シマノのロードバイク向けコンポのグレードと型番での見分け方・選び方
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一方で、2023年現在、シマノのグラベルコンポはGRXグレードのみで、GRXの中に、
の4つのラインが用意され、グレード分けがされています。
それぞれの違いは「変速段数」「電動コンポ」「フロントシングル」「ドロッパーポスト操作」の4つで、全てのラインでブレーキは油圧式ディスクブレーキになっており、ロードバイクで定番のキャリパーブレーキやMTBなどで多いVブレーキのラインアップはありません。
2023年9月には、新GRXであるRX820・RX610系が発表され、12速に対応しました。
GRX 12速は、シマノによるとライド目的別に、
の3つに分かれています。それぞれの違いは、基本的に変速段数(フロントダブル、シングル)と対応スプロケットのレンジとなります。
なお、発表時点では、GRX 12速は機械変速のみのラインアップとなっています。
モデル | 型番 | 変速段数 | 電動コンポ | フロントシングル | ドロッパーポスト操作 |
---|---|---|---|---|---|
GRX 12スピード | RX-820、RX-610 | 1x12s、2x12s | x | ○ | ○ |
GRX Di2 11スピード | RX-815 | 1x11s、2x11s | ○ | ○ | x |
GRX 11スピード | RX-810、RX-600 | 1x11s、2x11s | x | ○ | ○ |
GRX 10スピード | RX-400(一部パーツはRX-600系) | 1x10s、2x110s | x | ○ | x |
GRXとロードバイク向けコンポの違いは、
などです。
GRXはロードバイクよりも太いタイヤ、ワイドレシオなスプロケット・チェーンリング、悪路に最適化されたレバー形状に対応しています。
特に、最新のGRX 12速、RX820・620系は、SGSモデルのリアディレイラーがリア最大51Tまで対応、GSモデルでも45Tまで対応しており、トップ最小も10Tに対応(Micro splineスプロケットを使用)。グラベルロードバイクでMTBのようなギアをセット出来ます。
また、GRXはロードバイク向けコンポとミックスして使うことも可能で、シマノの互換表によるとGRXシリーズは、同じ変速段数であれば基本的に現行のロードバイク向けコンポーネントと互換性があります(ギアキャパシティの範囲内に収める必要あり)。
また、スプロケットやBBなどはロードバイク向けのものと共用になっているため、
ということが可能です。
ロードバイクコンポとの互換性が広いため、かなり自由度が高いコンポと言えます。
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GRXは全て油圧ディスクブレーキを採用していたり、ワイドレシオスプロケットに対応していたりと、ロードバイクよりもMTBに近いコンポです。しかし、ライドスタイルはロードバイクと同じドロップハンドルで使う前提なので、走り心地はMTBではなくロードバイクとなっています。
STIレバーの形状やドロッパーポストへの対応、チェーンリング・スプケットのギア設定など、ロードバイクよりも悪路に最適化されていて、MTBよりも舗装道路を高速巡航できるため、走りを幅が広いのが大きなメリットです。
GRXはフロントシングル(フロント1速)に対応しているため、楽でチェーン落ちなどの変速トラブルを軽減させることができます。
また、フロントシングルはメンテナンス性も高く、シフトチェンジも容易なので、乗りやすいのが特等です。
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GRXはシリーズ発表当初は、新しい「グラベルロード」というジャンルのコンポということもあって選択肢が3つのグループセットしかなく、ロードバイクのように「エントリーからプロユース」まで幅広くカバーされていないのがデメリットでした。
しかし、2023年にGRX 12速が発表されたことで、10速から12速までの4のグループラインナップ(機械式12速、機械式11速はRX800系と600系に分かれるため、厳密には6種類)までラインアップが広がり、選択肢も広がってきました。
ただ、パーツの価格的には105グレードよりちょっと下くらいなので、DURA-ACEのようにホビーユーザーが手を出しにくいグレードでもないですが、SORAやTIAGRAのようにエントリーからするとやや高いコンポと言えます。
GRXのSTIレバーは全て油圧ディスクブレーキモデルになっているので、搭載するフレーム・ホイールもディスクブレーキ対応モデルが必要となります。
もちろん、現行のキャリパーブレーキ向けのロードバイクの中にGRXを組み込んでグラベル仕様にすることは可能ですが、全てGRXで揃えようとすると、フレーム・ホイールの交換が必要で、アップグレードコストが高額になります。
シマノのGRXについて見てきました。
グラベルロード自体がここ数年で盛り上がりを見せているジャンルなので、シマノのGRXもある意味「これからのグレード」と言えます。
ロードバイクをグラベル仕様にしたり、最初からGRXでコンポを揃えたりと、カスタマイズの自由度もあるので、これからが楽しみですね。
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