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シマノのグラベルロード向けコンポーネント・GRXのラインアップと特徴
公開日: 2021年1月8日
シマノのグラベルロード向けコンポーネント・GRXのラインアップと特徴、GRXを選ぶメリット・デメリットについてまとめました。
この記事の目次
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シマノのグラベル向けコンポ・GRXシリーズとは?
GRXの特徴
シマノのGRXは、ロードバイク、MTBなどに続く新しいジャンル「グラベルロードバイク」向けのコンポーネントグレードです。
グラベルロードと通常のロードバイクの違いは、想定される走行環境。
ロードバイクは塗装された道路を走る前提、MTBは山岳などの悪路を走る前提ですが、グラベルロードは「塗装された道路」も「ある程度の悪路」も走れるように考えられた自転車です。ロードバイクとMTBの中間という位置付けになります。
GRXはそんなグラベルに最適化されたコンポなので、ロードの特徴とMTBの特徴をうまく融合させているのが特徴です。
GRXのラインアップ
シマノのロードバイク向けコンポだと、DURA-ACEを筆頭に、ULTEGRAなど現在では7つのグレードがあります。
シマノのロードバイク向けコンポのグレードと型番での見分け方・選び方
シマノのロードバイク向けコンポーネントのグレードと、型番から簡単に見分ける方法をまとめました。グレードの選び方や、グレードごとの互換性など。
一方で、2021年現在、シマノのグラベルコンポはGRXグレードのみで、GRXの中に、
- GRX Di2(電動コンポ)
- GRX 11スピード
- GRX 10スピード
の3つのラインが用意されています。
それぞれの違いは「変速段数」「電動コンポ」「フロントシングル」「ドロッパーポスト操作」の4つで、全てのラインでブレーキは油圧式ディスクブレーキになっており、ロードバイクで定番のキャリパーブレーキやMTBなどで多いVブレーキのラインアップはありません。
モデル | 型番 | 変速段数 | 電動コンポ | フロントシングル | ドロッパーポスト操作 |
---|---|---|---|---|---|
GRX Di2 | RX-815 | 1x11s、2x11s | ○ | ○ | x |
GRX 11スピード | RX-810、RX-600 | 1x11s、2x11s | x | ○ | ○ |
GRX 10スピード | RX-400(一部パーツはRX-600系) | 1x10s、2x110s | x | ○ | x |
GRXとロード向けコンポとの違い
GRXとロードバイク向けコンポの違いは、
- 対応タイヤサイズ
- 対応スプロケット・チェーンリング歯数
- STIレバーの形状
などです。
GRXはロードバイクよりも太いタイヤ、ワイドレシオなスプロケット・チェーンリング、悪路に最適化されたレバー形状に対応しています。
ただ、GRXはロードバイク向けコンポとミックスして使うことが可能で、シマノの互換表を見るとGRXシリーズは、同じ変速段数であれば基本的に現行のロードバイク向けコンポーネントと互換性があります。
また、スプロケットやBBなどはロードバイク向けのものと共用になっているため、
- ロードバイク向けのコンポにGRXパーツを組み入れる
- GRXにロードバイクパーツを組み入れる
ということが可能です。
ロードバイクコンポとの互換性が広いため、かなり自由度が高いコンポと言えます。
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GRXを選ぶメリット
走りの幅が広い
GRXは全て油圧ディスクブレーキを採用していたり、ワイドレシオスプロケットに対応していたりと、ロードバイクよりもMTBに近いコンポです。しかし、ライドスタイルはロードバイクと同じドロップハンドルで使う前提なので、走り心地はMTBではなくロードバイクになっています。
STIレバーの形状やドロッパーポストへの対応、チェーンリング・スプケットのギア設定など、ロードバイクよりも悪路に最適化されていて、MTBよりも舗装道路を高速巡航できるため、走りを幅が広いのが大きなメリットです。
フロントシングル対応で変速トラブルが減る
GRXはフロントシングル(フロント1速)に対応しているため、楽でチェーン落ちなどの変速トラブルを軽減させることができます。
また、フロントシングルはメンテナンス性も高く、シフトチェンジも容易なので、乗りやすいのが特等です。
フロントシングルのメリット・デメリットと主要メーカーのシングルクランクセットまとめ
MTBやグラベルロードバイクで採用が進んでいるフロント変速がない「フロントシングル」。フロントシングルのメリット・デメリットと、主要メーカーのシングルクランクセットをまとめました。
GRXを選ぶデメリット
コンポの選択肢が狭い
GRXはまだ新しい「グラベルロード」というジャンルのコンポなので、GRXシリーズの中では選択肢が3つしかなく、ロードバイクのように「エントリーからプロユース」まで幅広くカバーされていないのがデメリット。
パーツの価格的には105グレードよりちょっと下くらいなので、DURA-ACEのようにホビーユーザーが手を出しにくいグレードではないですが、エントリー向けバイクが欲しいユーザーにとっては少々選択肢が狭く感じるかもしれません。
ディスクブレーキ対応フレーム・ホイールが必要
GRXのSTIレバーは全て油圧ディスクブレーキモデルになっているので、搭載するフレーム・ホイールもディスクブレーキ対応モデルが必要となります。
もちろん、現行のキャリパーブレーキ向けのロードバイクの中にGRXを組み込んでグラベル仕様にすることは可能ですが、全てGRXで揃えようとすると、フレーム・ホイールの交換が必要で、アップグレードコストが高額になります。
シマノのGRXについて見てきました。
グラベルロード自体がここ数年で盛り上がりを見せているジャンルなので、シマノのGRXもある意味「これからのグレード」と言えます。
ロードバイクをグラベル仕様にしたり、最初からGRXでコンポを揃えたりと、カスタマイズの自由度もあるので、これからが楽しみですね。