オーストリア発の磁力を使った斬新なビンディングペダル・Magped(マグペド)。Magpedのビンディングペダルのラインアップとモデルの比較、選び方をまとめました。
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フロントシングルのメリット・デメリット
更新日: 2022年6月9日
公開日: 2022年4月14日
MTBやグラベルロードバイクで採用が進んでいるフロント変速がない「フロントシングル」。フロントシングルのメリット・デメリットについてまとめました。
この記事の目次
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フロントシングルのメリット
軽量化できる
フロントシングル化をすると、
- チェーンリング1枚分
- フロントディレイラー
- フロントシフトワイヤー
の分ですが、軽量化が出来ます。合計で200〜300gほどですが、他のコンポやパーツで同等の軽量化をしようと思うと、ホイールやクランクなど高価なパーツ交換になるため、「減らす」ことで軽量化できるフロントシングル化は、コスパが良い軽量化と言えます。
変速トラブルが減少
フロントが多段変速の場合、
- フロント変速不調
- リアの位置によって異音がする
- チェーン落ち
といった変速周りのトラブルを100%避けることは出来ません。もちろん、正しい整備やパーツ選びで気にならないほど減らすことが出来ますが、ナローワイドのフロントシングルチェーンリングを使えば、これらの心配はほぼ0です。
メンテナンス・清掃がしやすい
フロントシングルになると、フロント周りがシンプルになるため、メンテナンスや清掃が非常に楽になります。
まずフロント変速がないので、フロントシフト周りはメンテナンスフリーです。リア変速と比較すると、フロント変速は調整がややシビアなので、メンテナンスに慣れていないロードバイク・クロスバイク初心者の方にとってメリットがあります。
また、フロントシングルは清掃もしやすくなります。チェーンリングが一枚なので、狭いところも吹きやすいですし、ナローワイドのチェーンリングは、多段変速用のチェーンリングと違って歯が鋭利になっていないため、清掃中にチェーンリングで手を切ったりすることもなくなります。
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フロントシングルのデメリット
ギア比の選択肢が狭い
フロントシングルは変速段数を減らすことになるので当然ですが、ギア比の選択肢が狭くなります。ただ、フロント多段変速の場合でも、ギア比が重複している組み合わせはあるため、単純に半分というよりは概ね3〜4割くらい減るイメージです。
ギア比の選択肢が狭い分、スプロケットでギア比の変化を出すことになりますが、ロー側の選択肢を広げるために11-34Tなどのワイドレシオにすると、ギア比の差が大きくなって細かい変速が出来なくなりますし、ナローワイドにしようとすると、ロー最大が小さくなってしまって坂が苦しくなります。
その意味では、「上りも楽に登れて、坂でもスピードを出せる」というフロント・ダブル変速で出来たことが、フロントシングルでは出来なくなってしまうことがあります。
ギアが「軽い」か「重い」に寄ってしまいがち
フロントシングルは最大・最小ギア比が「フロントチェーンリングの歯数」に大きく影響を受けてしまうのもデメリットです。
例えば、ロードバイク向けのリアディレイラーはロー最大が34Tくらいですが、フロントが40Tだと最小が1.17である程度の坂までは戦えますが、トップギアが3.6くらいしかないので、最高速度が犠牲になります。
逆に、トップギア比を増やそうとフロントチェーンリングを50Tなどの大きな歯にすると、トップスピードは出せるようになりますが、今度はロー最小ギア比が1.47になってしまうので、激坂は登れません。
このように、フロントのチェーンリングの歯数次第で「上り向け」か「速度向け」かが分かれてしまうのです。
コンポの選択肢が狭くなる
フロントチェーンリングを交換するだけなら、通常のロードバイク、MTB向けのフロント多段向けコンポのままでも、問題なくフロントシングル化は可能です。
しかし、ギア比の選択肢を広げようとスプロケットをワイドレシオにするとなると、途端にコンポの選択肢が狭くなります。
まず、MTBなどフロントシングルが定番化しているコンポの場合は、ワイドレシオ・スプロケットの選択肢は広めですが、ロードバイクはフロント・ダブル前提のコンポなので、スプロケットをワイドにしようとしても選択肢が限られます。
また、ロー最大を大きくするために、ロードバイクにMTB向けのリアディレイラーをミックスしようにも、MTB向けのリアディレイラーはロード向けとシフトワイヤーの引き量が違うため、ロードのSTIレバーではMTBのリアディレイラーを引けません。
超ワイドレシオにするとややコストがかかる
MTBでは、11-51Tなどの超ワイドレシオなコンポが登場していますが、シマノのコンポで使う場合、対応するリアディレイラーがDEORE以上のグレードになるので、リアディレイラー、スプロケット、シフターなどの交換を含めると、コストは高くなります。
先ほども指摘した通り、MTBコンポはロード向けのSTIでは引けないので、リアをスプロケットを交換するために、フラットバーロード化するとなると、ハンドル、ブレーキ、シフターなど、さらにコストがかかります。
あくまでシマノの公式互換の対象外ですが、ロード向けSTIレバーでMTBのディレイラーを引くことができるアダプタがウルフトゥースから発売されています。