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シマノの7速から12速までのチェーンの違いまとめ
更新日: 2021年9月29日
公開日: 2020年12月24日
7速から最新の12速まで、ロードバイクやMTB向けのシマノのチェーンの違いをまとめました。段数ごとの対応チェーンの違いや、維持コストがどれくらい変わってくるのかも比較しています
この記事の目次
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シマノのチェーンのラインアップ
まずは、シマノの主なチェーンのラインアップから見てみましょう。
型番 | 対応速度 | リンク数 | 実売価格 |
---|---|---|---|
CN-HG40 | 6、7、8速用 | 116リンク | 900円前後 |
CN-HG71 | 6、7、8速用 | 116リンク | 2,000円前後 |
CN-HG53 | 9速用 | 118リンク | 2,200円前後 |
CN-HG93 | 9速用 | 118リンク | 2,200円前後 |
CN-HG54 | 10速用 | 116リンク | 2,000円前後 |
CN-4601 | 10速用 | 116リンク | 2,800円前後 |
CN-6700 | 10速用 | 118リンク | 3,000円前後 |
CN-HG601 | 11速用 | 116リンク | 2,800円前後 |
CN-HG901 | 11速用 | 116リンク | 4,000円前後 |
CN-M9100 | 12速用 | 116リンク | 6,000円前後 |
CN-M8100 | 12速用 | 126リンク | 5,000円前後 |
6、7、8速はチェーンが共用で、しかも実売価格が1,000円を切る激安なチェーンとなっています。「8速がコスパ最強」と呼ばれるのは、消耗品の価格が安いところにも由来しています。
SHIMANO (シマノ) CN-HG40
メーカー | シマノ |
---|---|
ブランド | - |
スピード | 6s・7s・8s |
適合 | ロードバイク、MTB、クロスバイク |
9速(ロードならSORA、MTBならAVIVIO、ACERA、ALTUS)についてはリンク数が他のチェーンと違って118リンクと2コマ多いものが標準となり、価格は2,000円前後。
10速(ロードならTIAGRA、MTBならDEORE)は116リンクと118リンクがあり価格は3,000円前後と1,000円ほど高くなります。
現行のロードコンポの上位グレード(DURA-ACE、ULTEGRA、105)の標準段数である11速になると、116リンクで3,000〜4,000円とチェーンだけでスプロケットくらいの値段になります。
ロード、MTBの現行最上位グレード(DURA-ACE、XTR)が採用する12速専用のチェーンになると、新品価格が5,000円オーバーと、1本で6、7、8速チェーン4本分以上の価格になります。
スピード段数ごとのチェーンの違い
チェーンのコマの幅(厚み)が違う
変速段数によって、チェーンのコマの幅(厚み)が異なります。
なぜこのようなことが起きるかというと、フリーカセットという狭いスペースの中で、変速段数を増やそうと思ったらスプロケット間の距離を狭くする必要があります。それぞれのスプロケット段数に合わせてスプロケットの歯ごとの間隔が狭くなったり広くなったりするため、それに合わせてチェーンの幅(厚み)も変更されているからです。
6〜8速はスプロケットの歯ごとの間隔が同じ(段数が増えるごとにスプロケットの厚みが増える)なので、スプロケットのアップグレードであればそのままチェーンが使えます(使い回しが可能)。
一方で、9速以上のアップグレードの場合、チェーンの幅(厚み)が異なるため、変速数に合わせたチェーンに交換が必要です。変速数専用のチェーンを使わないと、チェーンがスプロケットと噛み合わず変速性能が落ちてしまいます。
また、同じ変速数でも製品によってはフロントチェーンリングやリアディレーラーが対応していないこともあるので、シマノの互換表でしっかりと確認するのがベストです。
リンク数の違いはどこに影響する?
先ほど一覧でみた通り、シマノのチェーンには116リンクと118リンクがあります。
このリンクが足りるのか足りないのかは、自転車のギア比に依存します。フロントのチェーンリングの歯数とスプロケットの歯数が大きくなればなるほどリンク数が必要になります。
この辺りは実際にチェーンをはめてみないとわかりませんが、概ね116リンクで足りるようになっているのでそこまで神経質にならないでも問題ないでしょう。
シマノの公式マニュアルなどによると、チェーンの長さは「フロント・アウター×リアトップの時に、リアディレイラーのプーリーケージが地面と垂直になるところ」もしくは「フロント・アウター×リア・ロー + 1コマ」で決めるとされています。
もしリンク数が足りるか不安なのであれば使っているバイクで、同じの状態にしてみてリンク数を数えてみましょう。
スピード段数とシマノ・チェーンとコスパ
シマノの公式見解では、概ね4,000km走ったらチェーンは交換時期とされています。
先ほどみてきた通り、チェーンの値段は900円前後から4,000円前後までかなり幅が広いので、距離を乗る人ほどコスパに大きく影響してきます。
例えば、通勤・通学に使うような自転車は、毎日片道5kmの距離を通っていたら1年間で「10km x 245日 =2,450km」走ることになるので、1年半で交換時期になります。
一方、毎週末に100km以上走るような本格派の方は「100km x 52 = 5,200km」なので、毎年交換が必要です。その意味では、高いスペックが必要な本格派ほどランニングコストが高くなって、通勤・通学などのライトユースの人ほどコスパがよくなるようになっているのです。
わかりやすいように、表にしてみました。
型番 | 実売価格 | 100kmあたりのコスト | 通勤・通学の年コスト | 本格ライドの年コスト |
---|---|---|---|---|
CN-HG40 | ¥900 | ¥22.50 | ¥551 | ¥1,170 |
CN-HG71 | ¥2,000 | ¥50.00 | ¥1,225 | ¥2,600 |
CN-HG53 | ¥2,200 | ¥55.00 | ¥1,348 | ¥2,860 |
CN-HG93 | ¥2,200 | ¥55.00 | ¥1,348 | ¥2,860 |
CN-HG54 | ¥2,000 | ¥50.00 | ¥1,225 | ¥2,600 |
CN-4601 | ¥2,800 | ¥70.00 | ¥1,715 | ¥3,640 |
CN-6700 | ¥3,000 | ¥75.00 | ¥1,838 | ¥3,900 |
CN-HG601 | ¥2,800 | ¥70.00 | ¥1,715 | ¥3,640 |
CN-HG901 | ¥4,000 | ¥100.00 | ¥2,450 | ¥5,200 |
CN-HG601 | ¥2,800 | ¥70.00 | ¥1,715 | ¥3,640 |
CN-HG901 | ¥4,000 | ¥100.00 | ¥2,450 | ¥5,200 |
CN-M9100 | ¥6,000 | ¥150.00 | ¥3,675 | ¥7,800 |
CN-M8100 | ¥5,000 | ¥125.00 | ¥3,063 | ¥6,500 |
コンポ選び一つで年間のチェーンコストが最大で4,000円も違ってきます。
ただ、通勤・通学で使うくらいなら、チェーンのグレードの差で発生するコストの差は少ないので、好きなものを選んでも良さそうです。
年間4,000kmを超えるような本格的なライドをする方は、そもそもチェーン以外にもコンポなど自転車にお金をかけている方が多いのでチェーンの値段くらい気にしない方が多いイメージです。
特にロードバイクで言ったら105以上のレース(もしくはレースレディ)グレードのバイクに乗っている方は、「性能と耐久性を考えたら、敢えて高いチェーンを選ぶ」という方も多くいらっしゃいます。
SHIMANO (シマノ) CN-HG901-11
メーカー | シマノ |
---|---|
ブランド | DURA-ACE |
スピード | 11s |
適合 | ロードバイク、MTB、クロスバイク |
もし、「本格的なライドをしたいけど、なるべくランニングコストを抑えたい」という場合は、敢えて8速までにしておくとランニングコストはグッと下げることが可能です。
逆に、コスパという面では9速以上であれば年間コストは1,000円前後しか変わらないので、9〜11速コンポであれば、チェーンのランニングコストは同じくらいというイメージでしょうか。
7速から12速までのチェーンの違いをみてきました。
選ぶコンポによってこれだけ大きな違いがあるのは、初めてロードバイクやMTBに乗る方は驚くポイントでもあります。
コンポを選ぶ際は乗り方やコスパまで含めて考慮すると良いですね。
最新の12速との互換性については下記の記事をどうぞ。
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