シマノのロードバイク、MTB、クロスバイク用コンポーネントで採用されているチェーンの互換性を解説。チェーンの選び方について解説します。
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シマノのリアディレイラーをアップグレードすると何が変わる?
最終更新日: 2023/11/02
公開日: 2021/08/31
コンポーネントのアップグレードの中でも地味な部類に入るのがリアディレイラー。リアディレイラーをアップグレードすると何が変わるのかをまとめました。
この記事の目次
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対応変速数が変わる
シマノのリアディレイラーは、上位グレードほど対応する変速数が多くなります。ロードバイク向け、MTB向け共に12速が最多段数です。当然ですが、11速のディレイラー同士のアップグレードでは対応変速数は変わりません。
注意したいのは、シマノの公式的にはリア段数ごとに互換のあるリアディレイラーが指定されているので、「11速の105 RD-5800だから、11速よりも少ない8速のクラリスコンポの中でも使える」というわけではありません。
シマノのコンポーネントは、変速段数ごとにチェーンの厚みが異なる(変速数が多いほど、チェーンは細い)ため、フロント・リアディレイラーの設計もそれに合わせたサイズになっています。
非推奨の組み合わせでも使える?
ディレイラーはSTIレバーがインナワイヤーを引いた距離だけ移動するシンプルな仕組みなので、変速数が違うものでも動くことは動きます。
本来の変速数よりも小さいリアディレイラーを使う場合(11速コンポの中に8速のディレイラーなど)は、チェーンの厚みが想定よりも大きいので、非推奨ですが使えることがあるでしょう。
一方で、逆に本来の変速数よりも大きいディレイラー(8速コンポの中に11速のディレイラーなど)を使うのは故障の原因になる可能性があるため、やめた方が良いでしょう。
どちらにしても、シマノが想定した変速性能は間違いなく出ないので、公式互換のある組み合わせで使うのがベストです。
対応スプロケットが変わる
シマノのスプロケットは、ワイドレシオ、クロスレシオなど、段数ごとに様々な組み合わせが用意されています。
クロスレシオ、ワイドレシオ、奥が深いスプロケットとギア比の世界
クロスレシオ、ワイドレシオ、奥が深いギア比の世界。スプロケットの歯数を変えることでどんなメリット・デメリットがあるのか、チェーンリングとの組み合わせなどを見ていきます。
リアディレイラーは、製品ごとに対応するスプロケットの「最小歯数」と「最大歯数」が決められているので、リアディレイラーをアップグレードすると、ここの数値が変わることがあります。
例えば、105の「RD-5800-SS」から「RD-R7000-SS」にアップグレードすると、最小歯数のスペックは同じですが、最大歯数は28Tから30Tへと2T分増えます。
「RD-5800-SS」と「RD-R7000-SS」は同じ105の11速・ショートケージですが、リアディレイラーを「RD-R7000-SS」にアップグレードすると、よりワイドレシオなスプロケットを選べるようになるというわけです。
シマノのリアディレイラーのSS・GSとは?違いや見分け方、選び方
シマノのリアディレイラーの型番に記載されている「SS」「GS」の表示。それぞれの違いや見分け方、どちらを選べば良いのか互換性も含めて解説します。
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チェーンの動きや音が滑らかになる
シマノのリアディレイラーは、ロードバイク向けならULTEGRA以上でプーリーがボールベアリングになります。ベアリングプーリーによってチェーンの動きが滑らかになって、音も小さくなります。
もちろん、自転車全体で発生している抵抗値(パワーロス)で考えたらプーリーの回転の抵抗は微々たるものですが、アップグレードのメリットの一つではあります。
ULTEGRA以上のリアディレイラーにアップグレードするとこうしたメリットがあると覚えておくと、「105にするか?ULTEGRAにするか?」と悩んだ時の判断材料になります。
レバー操作が若干軽くなる
上位グレードのリアディレイラーにすると、変速時のレバー操作が若干ですが軽く感じることがあります。
あまりシフトチェンジをしないでトルクで走るような方は別ですが、ケイデンスを維持して走る方は頻繁にシフトチェンジをするので、シフトチェンジが軽い方がライドが楽になります。
試しに、アップグレード前のSTIレバーのまま、新しい上位グレードのリアディレイラーを使ってみると、巻き上げが多少軽く感じるはずです(もちろん、そのまま使うことはシマノ公式としては非推奨です)。
105からULTEGRAなど1ランク上のグレードへのアップグレードなら違いは誤差かもしれませんが、SORAから105、もしくは同じ105でも5700系からR7000系などグレードや世代をジャンプアップさせると、変速が少し軽くなっていることに気づきます。
上位グレードになって変速数が変わるとSTIレバーも交換が必要なため、変速が軽くなったのがSTIレバーの効果なのかリアディレイラーの効果なのかがわかりづらいところですが、少なくとも上位グレードの方がリアディレイラーのバネの動きは軽くてスムーズになっています。
リアディレイラーのアップグレードに関するよくある質問
どの組み合わせだったら、リアディレイラーをアップグレードできる?
ロード同士、MTB同士のリアディレイラーで、同じ変速段数であれば互換性があることがほとんどです(TIAGRA 4600系と4700など互換性がない場合もあります)。
例えば、同じロード向け11速のRD-R7000(105)なら、RD-R8000(ULTEGRA)やRD-R9100(DURA-ACE)などへのアップグレードができます。
同じグレードでも、新しいモデルにアップグレードすると変速性能が上がることもあります。
STIレバーやシフターはそのままで、リアディレイラーだけアップグレードはできる?
シマノの公式互換チャートにある組み合わせであれば、リアディレイラーだけをアップグレードすることも可能です。
リアディレイラーを交換する際は、ギアのキャパシティに注意しましょう。