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エンド幅?ブースト?MTBのエンド規格と完成車を買う時の注意ポイント
公開日: 2023年3月14日
MTBのエンド規格について詳しく解説|ブースト規格とは?自分のMTBに合うエンド幅は?完成車を買う時の注意ポイントなど。
この記事の目次
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MTBのエンド規格
エンド幅
エンド幅は、ホイールとフレームと適合させるための自転車の規格の一つで、MTBに限らず全ての自転車でエンド幅が決まっています。
エンド幅が規定されるMTBのパーツは、
- ホイール(ハブ)
- フォーク
- フレーム
の3つです。単純に「ホイールを選ぶ際の規格」と覚えておいても良いでしょう。
MTBを買ってホイールの交換をしないのであればエンド幅を考える必要はありませんが、後々ホイールのアップグレードを考えているのであれば、エンド幅は非常に重要なポイントになります。
というのも、どのエンド幅、エンド規格のMTBを買うのかで今後のアップグレードが決まるためです。
シャフト規格
MTBのエンドはホイールとフレーム・フォークをシャフトで接合します。そのシャフトにも様々な規格があります。MTBのシャフトの規格は「シャフト方式 x シャフトの太さ x シャフトの長さ」で決まります。
MTBでメジャーなシャフト方式は「クイックリリース」か「スルーアクスル」の二つです。シャフト方式はフレーム・フォームのエンド形状を決めるため、それぞれに互換性がありません。
シャフトの太さは、クイックリリースなら9mm、スルーアクスルなら12mm、15mm、20mmになります。そして、シャフトの長さはエンド幅に合わせます。
MTBのエンド幅の種類と組み合わせ
MTBのエンド規格は「エンド幅」と「シャフト規格」で決まりますが、全ての組み合わせがあるわけではなく、組み合わせである程度種類が決まっています。
エンド幅 | フロント/リア | 詳細 |
---|---|---|
100mm | フロント | クイックリリース式とスタンダード・スルーアクスルで使用される |
110mm | フロント | スルーアクスルのブースト規格。現在の上位グレードMTBのスタンダード |
135mm | リア | クイックリリース式のフレームで使用される |
141mm | リア | 一部メーカーで採用されたエンド幅。 |
142mm | リア | スタンダード・スルーアクスル。旧式のディスクブレーキMTBに多い。 |
148mm | リア | リアのブースト規格のスルーアクスル。現在の上位グレードMTBのスタンダード |
157mm | リア | ダウンヒルMTB用のスルーアクスル用。極太のハブシャフトを使用する |
スルーアクスル・ブースト規格のMTB
現在のMTBの上位グレードのスタンダードがスルーアクスルのブースト規格。フロントが110 x 15mmのスルーアクスルで、リアが148 x 12mmのスルーアクスルです。MTBホイールのアップグレードを考える際、一番選択肢があるのがこの規格です。
完成車の規格に合わせるのが基本ですが、MTBの場合サスペンションフォークをアップグレードすることもよくあるので、非ブースト規格のMTBでも、フロントだけブースト規格のホイールにすることも可能です。
タイプ | シャフトタイプ | Fエンド幅 | Fシャフト径 | Rエンド幅 | Rシャフト径 |
---|---|---|---|---|---|
スルーアクスル・ブースト | スルーアクスル | 110mm | 15mm | 148mm | 12mm |
クイックリリース規格のMTB
現在でもエントリーグレードのMTBで多く採用されるのがクイックリリース規格。フロントが100mmでリアが135mmで、一部のディスク・ロードバイクやクロスバイクと同じ規格です。
現在ではMTB用のホイールとしては選択肢がかなり減ってきていますが、一部メーカーはスタンダード・スルーアクスル規格のホイールをクイックリリース規格にする変換アダプタを用意していることがあります。
タイプ | シャフトタイプ | Fエンド幅 | Fシャフト径 | Rエンド幅 | Rシャフト径 |
---|---|---|---|---|---|
クイックリリース | クイックリリース | 100mm | 9mm | 135mm | 9mm |
スタンダード・スルーアクスル規格のMTB
かつての上位グレードのMTBがこの規格。アクスルの太さはブーストと同じですが、エンド幅がブースト規格より狭くなっています。そのため、スタンダード・スルーアクスル規格のMTBでブースト用のホイールを取り付けることは出来ません。
現在でも、ミドルグレード以下のホイールになってしまいますがスタンダード・スルーアクスル規格用のMTBホイールの選択肢は比較的ある方でしょう(一部メーカーは変換アダプタを使う)。
リアエンドについては、現行のディスクロードバイクと同じため、リアホイールをグラベル用ホイールにするという選択肢もありますし、フロントサスペンションをブースト用に交換して、フロントだけブースト規格ホイールにすることも可能です。
タイプ | シャフトタイプ | Fエンド幅 | Fシャフト径 | Rエンド幅 | Rシャフト径 |
---|---|---|---|---|---|
スルーアクスル | スルーアクスル | 100mm | 15mm | 142mm | 12mm |
どのエンド規格のMTBを買うべき?
長く使いたいならブースト規格のスルーアクスル一択
現在のMTBのエンド規格の主流はブースト規格のスルーアクスルです。MTBをメンテナンスやアップグレードをしながら長く使いたいのであれば、ブースト規格のスルーアクスル一択と言っても過言ではないでしょう。
ただ、MTBはハマっていくとバイク自体の種類を変える(ハードテイルからフルサスペンションなど)ことも十分にあるため、最初は安いクイックリリース式で街乗りや軽いグラベルを楽しんで、ハマったら本格的なブースト規格のスルーアクスルのMTBに乗り換えるというのもアリです。
街乗りメインなら安いクイックリリース式でもOK
一方で、街乗り用途でMTBを選ぶ場合は、舗装路を走ることがメインですので、安いクイックリリース式でも問題ありません。クイックリリース式のMTBは10万円未満で購入可能なので、乗りつぶして飽きたら売却して新しいMTBに乗り換えるというのも一つの楽しみ方です。
ただ、クイックリリース式のMTBはホイールのアップグレードという観点では選択肢が狭くなってしまう点だけは覚えておきましょう。