シマノのロードバイク、MTB、クロスバイク用コンポーネントで採用されているチェーンの互換性を解説。チェーンの選び方について解説します。
シマノのCUESコンポーネントのラインアップと互換性まとめ
公開日: 2023/10/02
シマノのMTB、ライフスタイルジャンルの新しいコンポーネントグループである「CUES」の、変速段数、パーツラインアップ、従来のコンポーネントとの互換性をまとめました。
この記事の目次
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グレードから見る
シマノCUESコンポーネントには、3つのグレードがあります。
- U8000
- U6000
- U4000
まずは、スペック面でのそれぞれの違いを見てみましょう。
U8000(11速)
CUEAの最上位グレードがU8000シリーズ。リア変速は11速で、フロントはシングル・ダブルから選択可能。最新のMTBトレンドに合わせてフロントシングルの1x11速で組むことも、ギア比の選択肢を広げるためにロードライクにフロントダブルで2x11の22段変速で組むことも可能です。
ブレーキシステムは油圧のみで、シフトは機械式のみ。リア変速はトップ最小が11Tと従来の11則同様ですが、ロー最大は50TとMTBライクな巨大スプロケットを装着可能です。
グレード | ブレーキ | 変速種類 | フロント変速 | リア変速数 | トップ最小 | ロー最大 | Di2 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
U8000 | 油圧のみ | 機械式のみ | 1、もしくは2 | 11速 | 11T | 50T | x |
U6000(10/11速)
CUEAの最上位グレードであるU8000の廉価版という位置付けがU6000(11速)、そして、中間グレードに当たるのがU6000(10速)です。
U6000(11速)は重量などを除けば技術的には最上位のU6000と同じ構成で、U6000(10速)はそれを10速にしたもの。リアディレイラーやブレーキーなどは共用となっているため、一部パーツをそのままにU6000の10速から11速へのアップグレードも可能です。
グレード | ブレーキ | 変速種類 | フロント変速 | リア変速数 | トップ最小 | ロー最大 | Di2 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
U6000(11速) | 油圧のみ | 機械式のみ | 1、もしくは2 | 11速 | 11T | 50T | x |
U6000(10速) | 油圧のみ | 機械式のみ | 1、もしくは2 | 10速 | 11T | 50T | x |
U4000(9速)
シマノCUESのエントリーグレードがU4000シリーズ。変速数が9速で、ロー最大が46Tと上位モデルよりもやや小さくなっています。フロントはシングル・ダブルから選択可能です。
グレード | ブレーキ | 変速種類 | フロント変速 | リア変速数 | トップ最小 | ロー最大 | Di2 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
U4000(9速) | 油圧のみ | 機械式のみ | 1、もしくは2 | 9速 | 11T | 46T | x |
CUESのパーツごとのラインアップ
CUESは既存のロードコンポやMTBコンポと互換性のない「LINKGLIDE」という変速システムを採用しているため、CUESコンポはドライブトレイン周りが中心。ドライブトレイン周りではスプロケットとチェーンがCUES専用ではなく既存パーツと共用となっています。
また、ブレーキについては、CUES製品としてラインアップがあるのはU8000シリーズのみで、その他のグレードについては、既存のモデルと組みわせる前提となっています。
パーツ | U8000 | U6000(11速) | U6000(10速) | U4000 |
---|---|---|---|---|
ブレーキレバー | BL-U8000 | - | - | |
ブレーキキャリパー | BR-U8000 | - | - | |
クランクセット | FC-U8000-1 FC-U8000-2 |
FC-U6000-1 FC-U6000-2 FC-U6000-2B FC-U6010-2 |
FC-U6000-1 FC-U6000-2 FC-U6000-2B FC-U6010-2 |
FC-U4000-1 FC-U4000-2 FC-U4010-2B FC-U4010-2 |
フロントディレイラー | FD-U8010-L | FD-U6000-D FD-U6000-E FD-U6000-M FD-U6010-L |
FD-U6000-D FD-U6000-E FD-U6000-M FD-U6010-L |
FD-U4000-D FD-U4000-E FD-U4000-M FD-U4000-L FD-U4010-L |
リアディレイラー | RD-U8000 RD-U8020 |
RD-U6000 RD-U6020-11 |
RD-U6000 RD-U6020-10 |
RD-U4000 RD-U4020 RD-U3020 |
各モデルで違いがあるのは、
- フロント変速数(「-数字」がつく)
- ブースト規格対応(「-B」がつく)
- 数字の下二桁(「XX10,XX20など」)
- クランプタイプ(「-D」など)
です。
また、フロント周り(クランクセット、フロントディレイラー)は上下互換があるケースがあるので、シマノの互換チャートを見ながらパーツを選ぶと良いでしょう。
CUESと従来のMTBコンポとの互換性
CUESは、現状ではMTBとライフスタイルジャンルの新コンポーネントとして発表されていますが、基本的に従来のMTBコンポとは互換性がありません。従来のコンポではロードとMTBで共用可能な、スプロケットついても、LINKGLIDE互換のものが必要となるため、互換性がありません。
CUESパーツ | ロードコンポ | MTBコンポ |
---|---|---|
クランクセット | x | x |
シフター | x | x |
フロントディレイラー | x | x |
リアディレイラー | x | x |
スプロケット | x | x |
チェーン | ▲ (11速チェーンのみ互換) |
▲ (11速チェーンのみ互換) |
ブレーキ | x | ⚪︎ レバーとキャリパーのセットで使う場合 |
ディスクローター | パッドの形状が合えばOK | パッドの形状が合えばOK |
チェーンについては、CUESはすべての変速段数で11速用チェーンを使っているため、従来の11速チェーンがCUESのすべてのコンポーネントと互換性があります。CUESにはリムブレーキのラインアップがないため、ディスクローターもパッドの互換性だけ気をつければ、既存のものを使うことが出来ます。
ブレーキシステムについてはフラットバー用コンポーネントでは、ドライブトレインとブレーキが切り離されているため、レバーとキャリパーのセットで使えば、従来のMTBブレーキを使うことが出来ます。
ロード向けブレーキシステムでは、STIレバーがシフトとブレーキが一体化しているため、シフトにCUESとの互換性がないため、実質使えないと言えます。
なお、CUESのディスク・ブレーキシステムの互換性については、シマノの互換チャート上ではCUES同士とMETREAのブレーキのみと互換となっているため、従来のMTB用油圧ブレーキシステムとは互換性がない模様です。