自転車のディスクローターの歪みとは?起こる原因と歪みを補正する方法
ディスクブレーキ自転車のディスクローター付近から「シュッシュッ」という異音が聞こえたら、ディスクローターの歪みの可能性があり。なぜディスクローターの歪みは起こるのか、歪みを補正する方法をまとめました。
更新日: 2022年6月9日
公開日: 2021年8月30日
制動力に影響するだけでなく、ライド中の疲れにも大きな影響を生むのがブレーキの重さ。今回は、機械式ブレーキの仕組みから、重いブレーキを軽くする方法をまとめました。
この記事の目次
スポンサーリンク
ロードバイクをはじめとした自転車のブレーキは、ブレーキを手で操作する「レバー」、制動をする「ブレーキ本体」、両者をつなぐ「ワイヤー」の3つのパーツで構成されています。
機械式ブレーキの仕組みは非常にシンプルで、レバーを握るとブレーキに繋がったワイヤーが引っ張られ、引かれたブレーキが閉まって制動をするという流れになっています。
つまりブレーキの制動力は「ブレーキが閉まる力」ですが、ブレーキ自体を閉めるのはライダーがレバーを握る力なので、この力をいかに効率よく使えるかが「軽くてしっかり止まるブレーキング」の鍵です。
よく「上位グレードのブレーキはよく止まる」と言われますが、ブレーキの制動力は人間の握力でほぼ決まっています。
リム・キャリパーブレーキの場合は顕著で、ホイールのリムをシューで挟んでいる制動しているため、「挟む力 = 握力」が強いほどブレーキはしっかりと止まります。もちろん、シューの品質や整備なども関係はしますが、それも人間の握力をいかに伝えるかということが大事です。
例えば、同じ握力の人が上位ブレーキにアップグレードすると「すごくよく止まるようになった」と感じますが、これは上位グレードになったことでブレーキングの仕組みが変わったのではなく、「少ない力でブレーキを閉められるようになった = 握力がしっかりとブレーキに伝わるようになった」ということです。
つまり、「ブレーキがよく効く」というのは、「ブレーキが軽い」というのとほぼ同じ意味なのです。
では、なぜ機械式ブレーキが重くなるのでしょうか?機械式ブレーキの場合は、その要因はただ一つ、握力の伝達を阻害する「抵抗力」です。
機械式ブレーキでは、3つの抵抗力が発生します。
これらのブレーキの重さの原因です。
もし、これらの抵抗力が0だったならブレーキは驚くほど軽く引けるようになりますが、「レバーが戻る」と「ブレーキが戻る力」は、ノンブレーキングの状態(レバー、ブレーキが開いている状態)を維持するための仕組みですので、ここの抵抗力が0だと引いたブレーキを元に戻せなくなってしまいます。
スポンサーリンク
ブレーキの仕組みがわかったら、あとは重いところを改善していけば、必然的にブレーキは軽くなります。
まずは追加費用もかからないルーティングを見直してみましょう。
たかがルーティングと思いがちですが、完成車の場合は特にアウターワイヤーが長めに張られていることが多いため、無駄な抵抗が発生している可能性があります。
ワイヤーは「曲がるところで抵抗が生まれる」ので、なるべく真っ直ぐになるようにルーティングの改善を行います。
ルーティングの見直しだけでもブレーキが軽くなることがあります。
ルーティングができたら、次にワイヤーの状態をチェックしましょう。
外装式のフレームの場合、水や砂がアウターワイヤー内に混入していたり、それが原因でインナーワイヤーが錆びてしまっていることもあります。
サビは大きな抵抗を生むので、もしかなり錆びているようなインナーワイヤーを交換しましょう。予算が許すなら、シマノのインナー・アウターワイヤーセットがおすすめです。
SHIMANO (シマノ) ロード用SUS ブレーキケーブルセット Y80098019
メーカー | シマノ |
---|---|
用途 | ブレーキ |
長さ | 210cm |
適合 | ロードバイク |
SHIMANO (シマノ) MTB用SUS ブレーキインナーケーブル Y80098210
メーカー | シマノ |
---|---|
用途 | ブレーキ |
長さ | 205cm |
適合 | MTB、クロスバイク |
この時、アウターワイヤーに抵抗を減らすケミカルを注入しておくとより効果的です。
Wako's (ワコーズ) シリコーンルブリカント SL
メーカー | ワコーズ |
---|---|
タイプ | スプレー |
内容量 | 420ml |
適合 | ロードバイク、MTB、クロスバイク |
これでもブレーキの重さが変わらないのであれば、まず最初に疑うべきはブレーキ本体です。
ブレーキはバネの力で戻っているので、バネを曲げる力が強いほどブレーキングが重くなります。プロのメカニックの方は、ブレーキのバネを自力で調整できる方もいます。
また、上位グレードのブレーキであっても、ブレーキに泥や異物が挟まっていれば、ブレーキを動かすのに抵抗が生まれるので、まずは清掃してブレーキ本体の動きに濁り(ザラザラ・ゴリゴリした感触)を取ってみましょう。
それでも重いようなら、ブレーキ本体が重いと思って良いでしょう。
ブレーキ本体が重いかどうかは、ブレーキ本体を自分の手で閉めてみるとわかります。ロードバイクなら、シマノのDURA-ACE、ULTEGRAなどの上位グレードのブレーキほどバネは軽く、指で少し力を入れる程度で閉めることができます。
一方で、エントリーモデルなどで採用されている無印のブレーキは、かなり力を入れないと閉まらないはずです。
手で閉めてみてかなり重い場合は、ブレーキの戻る力が強すぎることが、ブレーキングを重くしている原因なので、ブレーキを上位グレードのものに交換すると劇的にブレーキが軽くなります。
よく「ブレーキだけでも105にしよう」と言われますが、105以上のブレーキはしっかりと開くのに、指で簡単に閉めることができます。ですので、「ブレーキが軽い => ブレーキが効く」というわけです。
シマノの旧世代上位ブレーキと、現行下位グレードブレーキはどっちがいい?
シマノの旧世代上位ブレーキと、現行下位グレードブレーキはどっちがいいのか。シマノのブレーキのテクノロジーや発売年から考察しました。
ブレーキを交換しても改善がされないのであれば、最後にレバーの交換を検討します。
「引く抵抗を減らすなら、最初にレバーでは?」と思いますが、レバーの戻る力は思ったよりも大きくありません。試しに、ブレーキのインナーワイヤー留めを外してレバーを引いてみましょう。驚くほどスカスカなはずです。
機械式ブレーキはシンプルな構造ですので、レバーは「単純にワイヤーを引いているだけ」です。ですので、ブレーキを引いていない状態のレバーの戻る力が、そのままレバーが生んでいる抵抗になります。
では、なぜレバーの交換を検討するのかというと、抵抗とは別の「握りやすさ」の問題です。人間は大きなものを握る時ほど力を入れにくくなるので、レバーが握りにくいということは握力をしっかりと出せないということになります。
ですので、レバーの交換を検討する時は、レバーの抵抗を減らすというよりかは「今のレバーは握りにくくないか?交換したら握りやすくなるか?」というポイントで判断しましょう。
メーカー | シマノ |
---|---|
用途 | ブレーキ |
長さ | 210cm |
適合 | ロードバイク |
メーカー | シマノ |
---|---|
用途 | ブレーキ |
長さ | 205cm |
適合 | MTB、クロスバイク |
メーカー | ワコーズ |
---|---|
タイプ | スプレー |
内容量 | 420ml |
適合 | ロードバイク、MTB、クロスバイク |
スポンサーリンク
シマノの旧世代上位ブレーキと、現行下位グレードブレーキはどっちがいい?
シマノの旧世代上位ブレーキと、現行下位グレードブレーキはどっちがいいのか。シマノのブレーキのテクノロジーや発売年から考察しました。
ロードバイクのディスクブレーキ化に必要なパーツと買う時の注意ポイント
ここ数年でグッと増えてきたディスクブレーキ搭載ロードバイク。「ディスクブレーキは試したいけど、車体の買い替えはしたくない」という方のために、ディスクロード化に必要パーツと買う時の注意ポイントをまとめました。
自転車のディスクローターの歪みとは?起こる原因と歪みを補正する方法
ディスクブレーキ自転車のディスクローター付近から「シュッシュッ」という異音が聞こえたら、ディスクローターの歪みの可能性があり。なぜディスクローターの歪みは起こるのか、歪みを補正する方法をまとめました。
チューブレスタイヤの普及と共に注目され、最近ではプロロードレースでの使用実績もあるタイヤインサートとは何か、使うメリット・デメリットをまとめました。
シマノのディスクブレーキパッドの種類とモデルごとの違い、互換するブレーキキャリパーについてまとめました。
TPI、コンパウンド、トレッド?自転車タイヤのスペックを理解しよう
ロードバイクやMTB、グラベルバイクのタイヤをアップグレードしようアイテムを探していると、説明文に出てくるのがTPI、コンパウンド、パターンなどの専門用語。一見難しいタイヤのスペックですが、重要な部分だけを押さえておけば、タイヤ選びが充実します。
ロードバイクに乗っていると意外と悩みの種となるのが頭部の汗。頭に汗をかかないためのロードバイク・ヘルメット選びをまとめました。
ロードバイクやMTBの整備をしっかりと行うならあると便利な工具が「トルクレンチ」。トルクレンチとは何か、トルク管理をするメリットとデメリットをまとめました。
チューブレスにあると心強い!ブースター・ブースト機能付きエアポンプまとめ
チューブレスの導入の最難関でもあるビード上げを簡単にしてくれるのがブースター。1本あると心強いブースター・ブースト機能付きエアポンプをまとめました。
軽量でコスパが高いホイールが多い「フックレスリム」ホイール。フックレスとは何か?フックレスのメリット・デメリット、そして選ぶ際の注意点をまとめました。
自転車ホイールの規格の一つである「ASTM規格」とは何か。ホイールを選ぶ際に注意すべきポイントをまとめました。
軽量No.1はどれ?ロードバイク用軽量チューブレスタイヤまとめ
ロードバイクでも利用者が増えているチューブレス。今回は、ロード用チューブレスタイヤはどれが一番軽いのか、サイズごとにチューブレスタイヤを比較しました。
チューブレス、チューブレス・レディタイヤでパンクした時の対処方法
ここ数年で利用ユーザーが劇的に増えてきているチューブレスタイヤ。チューブレス、チューブレス・レディタイヤでも0には出来ないのがパンク。パンクの原因と対処方法をまとめました。
ロードバイクなどのスポーツ自転車でタイヤの太さを変えようとする場合、ホイールが許容するタイヤサイズが重要になります。今回は、ホイールの規格やスペックから対応タイヤを調べる方法をご紹介します。
SCHWALBE(シュワルベ)のグラベル・シクロクロスタイヤのシリーズと種類まとめ
SCHWALBE(シュワルベ)の未舗装路向けタイヤである、グラベルタイヤとシクロクロスタイヤのシリーズと種類をまとめました。
チューブレスを使う上で必須のアイテムが「チューブレスバルブ」。チューブレスバルブとは何か、チューブレスバルブ種類と選び方をまとめました。
SRAMの独自規格であるXD・XDRはどのような規格なのが、シマノと何が違うのか、購入するときの注意点などをまとめました。
自転車にしっかり乗り出すと欲しくなるのがナビ機能。自転車でナビと言えばサイコンですがナビ機能を搭載するモデルは数万円することがほとんどです。今回は、ナビ機能を搭載しつつ、2万円未満で買える安いサイコンをご紹介します。
シマノのロードバイク・MTBコンポで使える12速チェーンまとめ
シマノのロードバイク・MTBコンポで使える12速チェーンをまとめました。シマノ以外のメーカーのチェーンの互換性についても。
ロードバイクで使えるシマノのワイドレシオ・スプロケットまとめ
ロードバイクで使えるシマノのワイドレシオ・スプロケットを段数ごとに互換性も含めてまとめました。
自転車用ディスクブレーキのマウントの種類と見分け方、アダプターの選び方
規格違いのキャリパーや、ローターサイズの変更の時に必須となるのが自転車用ディスクブレーキのマウントアダプター。マウントアダプターの種類と見分け方、シマノのマウントアダプターの型番などを解説します。
フルクラム Racing DB 900とRacing DB 800の違い
エントリーからミドルクラスのディスクロードに標準装備されるフルクラム Racing DB 900とRacing DB 800。両者の違いをまとめました。