ホイールの精度を高めるための専用ツールが自転車のホイール振れ取り台・調整ツール。振れ取り台の選び方や主なメーカーの振れ取り台をまとめました。
- 日本語
- English
ディスクブレーキのパッドの種類と選び方
更新日: 2022年11月16日
公開日: 2022年7月14日
ディスクブレーキのキャリパーに取り付けるブレーキパッド。実は素材や形状など、複数の種類があります。ディスクブレーキのパッド種類と選び方をまとめました。
この記事の目次
スポンサーリンク
ディスクブレーキのパッドの種類
素材の種類
ディスクブレーキのパッドには、主に金属(メタル)系、樹脂(レジン)系、セミメタル系の3つがあります。どのパッドを使えるかは、ブレーキキャリパーと、ローター、それぞれに依存します。
シマノの現行のディスクブレーキは、ほとんどがメタルパッド、レジンの両方に対応していますが、一部メタルパッドに対応していないモデルがあるので購入する際は注意が必要です。
メタルパッドとレジンパッドの大きな違いは、ブレーキの効きと鳴き。
メタルパッドは制動力が高く効きが良いですが、メタルパッド特有の鳴き(金属が擦れる音)がしやすく、調整がシビアです。また、効きすぎて細かいブレーキングが難しいという場合もあります。
一方で、レジンパッドはメタルパッドと比較すると制動力がかなり落ちてしまいますが、制動力が落ちる分当て効きがしやすく細かいブレーキングが出来ます。樹脂なので鳴きが少ないというのもメリットでしょう。
どちらを選ぶかは、キャリパー自体の制動力、ローターとの組み合わせで選ぶのがメジャーです。
セミメタルパッドは金属粉を混ぜた樹脂製のパッドで、レジンパッドよりも制動力は高いですが、メタルパッドほどではありません。ブレーキの効きとしては「メタルパッドとレジンパッドの真ん中」というりも、ややレジンパッド寄りの効きです。
種類 | 素材 | 効き | 鳴き |
---|---|---|---|
メタルパッド | 金属 | ◎ | △ |
レジンパッド | 樹脂 | △ | ◎ |
セミメタルパッド | 樹脂 | ○ | ○ |
形状の種類
ディスクブレーキのパッドには様々な形があり、基本的にブレーキキャリパーのメーカーが推奨する純正品を使う前提となります。
ただ、シマノならシマノ、SRAMならSRAM、TRPならTRPと、同じメーカー同士のパッドなら何でも使えるというわけではなく、形状の違いで取り付けが出来ない場合があるので注意しましょう。
特にシマノのブレーキキャリパーには、取り付け可能なパッドの種類だけでなく、パッドの素材やパッド幅によって「ナロー」「ワイド」があるので、パッドとローターの互換性にも注意が必要です。
冷却機能の有無
ディスクブレーキは、金属製のローターをパッドで挟んで制動する仕組みですが、連続してブレーキングをするとローターが高温になって制動力が落ちてしまいます。ローターの高温対策は、ローター側に放熱機構(シマノなら「アイステクノロジー」)を搭載する方法と、ブレーキパッドやキャリパーに放熱フィン(ヒートシンク)を取り付ける方法があります。
例えば、シマノのロード向け・MTB向けの上位モデルのブレーキキャリパーには、ブレーキパッドに放熱フィンを搭載したモデルがあり、アイステクノロジーを搭載したローターと組み合わせることで、ローターとパッドの両方で高温になることを防ぐことが出来ます。
ただし、放熱フィン付きのブレーキパッドが使えるかは、キャリパーブレーキの形状に依存するので、どんなキャリパーブレーキでも使えるわけではありません。
ディスクブレーキのパッドの選び方
先程解説した通り、基本的にはメーカーが推奨するブレーキパッドを使うのがベストです。
ただ、メーカー推奨のパッドが入手できなかったり、効きに不満がある場合は、同じ形状のパッドであれば使えることがあります。
メーカー推奨外のパッドを使う際は、「素材」「形状」「冷却機能の有無」の3つをチェックしましょう。
ブレーキの効きを高めたい時のパッドの選び方
ブレーキの効きを高めたい時は、レジンパッドを使っている時はメタルパッドにするのがメジャーです。ただ、メタルパッドは鳴きが発生しやすいため、単純にメタルパッドにしたから「効きもよくなって快適」とは限りません。逆に、「レジンパッドに戻したら、むしろブレーキしやすくなった」ということもあります。この辺りが、ディスクブレーキの難しいところです。
また、ブレーキパッドを交換しなくてもローターを交換することでブレーキの効きや鳴きを改善できることもあります。特にシマノのアイステクノロジー搭載ローターは、放熱性能が高く、ブレーキの効きにも影響があります。
ディスクブレーキで鳴きや異音がする場合は?
ディスクブレーキで鳴きや異音がする場合、
- キャリパーの調整不足
- パッドの当たりが出ていない
- ローターが変形している
という3つが主な要因です。
交換した場合であれば当たりが出てないことがありますし、逆に当たりが出たら異音がするようになることもあります。
また、ローターが変形してしまっている場合、ローターが真っ直ぐに回転しないことで異音の原因にもなります。
このように、パッドを交換したから鳴きや異音が解決するわけではなく、パッド、ローターなど複数の要因があるため、どこに問題があるかを確認しながら、いくつかブレーキパッドを試すのがベストです。