スマートウォッチをサイコンの心拍計センサーとして使う方法

最終更新日: 2023/10/23

公開日: 2021/06/14

スマートウォッチをサイコンの心拍計センサーとして使う方法をまとめました。サイコン側の条件、スマートウォッチ側の条件を満たせば、心拍数センサーを追加で買わないでもスマートウォッチだけで心拍データをサイコンに表示できます。

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スマートウォッチをサイコンの心拍計センサーで使う方法

一番確実なのは、サイコンのメーカー側が表明している「互換リスト」に掲載されているスマートウォッチを使うことですが、互換リストにないスマートウォッチでも、サイコンで心拍表示ができる可能性があります。

スマートウォッチをサイコンで使うためには、二つの条件があります。

  1. スマートウォッチとサイコンの両方がBluetooth LE、ANT+に対応している
  2. サイコンが心拍数データとして使うプロファイルに対応している

Bluetoothのスマートウォッチの場合、Bluetooth LEには標準プロファイルにで心拍数計が含まれているため、どちらもBluetooth LEに対応していれば、スペック的にはスマートウォッチの心拍数データを取得可能です。ただし、サイコン側、スマートウォッチ側で心拍ソースを有効にしているかは製品よってケースバイケースです。

一方で、ANT+については、サイコンとスマートウォッチの両方がANT+の心拍数用のプロファイル「HRM」が有効であれば、基本的にペアリングすれば心拍数データを送信・受信可能です。

Apple (アップル) Apple Watch SE

スマートウォッチとして絶大な人気のApple Watchも、ANT+には対応していないためそのままではサイコンで使用できないが、iPhoneアプリを使えばBluetoothで心拍数をブリッジしてデータ送信が可能。
メーカー Apple
計測データ 心拍、位置情報
接続方式 Bluetooth
電源方式 内蔵バッテリー

スマートウォッチをサイコンの心拍数センサーとして使う際の注意点

スマホとのペアがなくなる可能性がある

Bluetoothについては、一部の製品を除いて常時ペアしておけるのは1:1の1組というのがほとんどです。

例えば、Apple WatchなどのスマートウォッチをBluetoothでスマホとペア接続している場合、サイコンにはBluetoothではペア接続できません(iPhoneをブリッジさせる方法はあり)。

また、サイコンとBluetoothペア接続している間は、スマホとのペアは外れるので、スマホからの通知などを受けることが出来なくなります。

この点を回避できるのが、Bleutooth、ANT+両用のスマートウォッチで、

  1. スマホとはBluetoothで接続
  2. サイコンとはANT+で接続

ということが可能です。

例えば、GarminのInstinct Dual Power Tacticalは、BluetoothとANT+に対応しつつ、ANT+での心拍転送モードが用意されているので、サイコンにANT+で心拍数を送りつつ、Bluetoothでスマホとペアしてスマホの通知を受信することが可能です。

Garmin (ガーミン) Instinct Dual Power Tactical

サイコンメーカーとしても人気のGarminのスマートウォッチ。単体での計測だけでなく、ANT+での心拍データの送信にも対応している。
メーカー Garmin
計測データ 心拍、位置情報、気圧高度、コンパス、加速度計、温度計、血中酸素
接続方式 Bluetooth、ANT+
稼働時間 最大 30 時間 + 8 時間(GPS + 光学心拍計モード)
SUICA 非対応
重量 53g

同じくGarminのスマートウォッチでエントリーモデルでは、vívomove 3などがANT+での心拍転送モードに対応しています。

Garmin (ガーミン) vívomove 3

Garminのスマートウォッチの中でも日常ユースに溶け込むデザインのvivomoveシリーズ。単体でのサイクリング計測だけでなく、ANT+での心拍データの送信にも対応している。
メーカー Garmin
計測データ 心拍(心拍転送モードあり)、気圧高度、加速度計、血中酸素トラッキング、VO2 max
接続方式 Bluetooth、ANT+
稼働時間 最大4日間(スマートモード)
SUICA 対応
重量 46.1g

Garminのスマートウォッチは心拍転送モードに対応しているモデルが多く、サイコンとの相性が良いスマートウォッチです。

メーカー推奨外の接続ペアだと接続不可・不安定になる可能性がある

サイコンメーカー側も、全てのスマートウォッチとの動作をチェックしているわけではないので、公式で心拍数センサーとしてスマートウォッチを使えることを表明しているのは、同じメーカー同士のものがほとんどです。

メーカーが同じであれば、万が一不具合があったとしても、サイコンやスマートウォッチのアップデートで対処してくれる可能性がありますが、メーカー推奨外のペアだと対応してもらえない可能性が高くなります。

また、メーカー推奨外のペアはそもそも接続ができなかったり、接続が不安定になることもあるので注意しましょう。

スマートウォッチのバッテリーの減りが早くなる

スマートウォッチをサイコンの心拍センサーとして使う場合、製品によってはスマートウォッチのバッテリー消費が早くなり、途中でバッテリー切れになってしまう場合があります。

Garminなどの心拍センサーモードを搭載している専用製品は10時間以上持つこともありますが、一般的なスマートウォッチだと数時間でバッテリーが0になってしまうこともあるので注意が必要です。

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サイコンで使えるスマートウォッチの探し方

サイコンで使えるスマートウォッチを探す際は、二つのポイントを満たしているスマートウォッチを探します。

Bluetooth LE + ANT+の両方に対応している

先程解説した通り、スマートウォッチをスマホとサイコンで同時に使うなら、スマホとのペアはBluetoothで行い、サイコンとはANT+で接続するのがベストです。

つまり、サイコンもスマートウォッチも両方ともBluetooth LEとANT+に対応していれば、

  1. Bleutooth: スマホ <–> スマートウォッチ
  2. ANT+: サイコン <–> スマートウォッチ

と、通信経路を分けることができ、スマホとスマートウォッチ、サイコンを最大限生かすことができます。

理論上はこの通りなのですが、最近のサイコンの上位モデルであればBluetooth LEとANT+の両方に対応していることが多いですが、残念ながらスマートウォッチでANT+に対応しているモデルはあまりないのが実情です。

スペックに「心拍転送モード」の記載がある

こちらはスマートウォッチ側の条件です。

いくらスマートウォッチが心拍数計に対応してたとしても、ANT+でのデータ転送モードがなければ、サイコン側でデータを受信できません。

ですので、スマートウォッチのスペックページに「ANT+での心拍転送」に対応する旨が記載されているかは必ずチェックしましょう。

スペック欄に「ANT+での心拍転送」に対応する旨が記載されている(写真はGarminの例)

バンド型心拍数センサーを使うのが確実

スマートウォッチは心拍数が取れるモデルがほとんどなので、取得した心拍データをサイコンでも使えれば荷物も減らせてベストです。しかし、安価なスマートウォッチ(スマートバンド)だけでなく、ある程度高額で高機能なスマートウォッチでも、ANT+には対応している製品はほとんどないのが実情です。

そのため、荷物や手間は増えてしまいますが、BluetoothとANT+の両方に対応したバンド型心拍数センサーを使うのがもっとも確実な方法です。

取り付ける手間は増えてしまいますが、確実に使えるという意味では、ベストな選択肢かもしれません。

スマートウォッチを心拍センサーとして使う際のよくある質問

Q.

スマートウォッチと専用の心拍センサーで精度の違いはある?

A.

心拍センサーの精度違いは、製品ごとの品質と計測方式によって異なるため、一概にどちらが優れているとは言えませんが、胸バンド式の心拍センサーは心臓の電子パルスを計測する方式のため、スマートウォッチの光学式のセンサーよりも精度が高いとされています。

ただ、最新のスマートウォッチは、医療機器レベルまで心拍センサーの精度が上がっているため、製品によってはスマートウォッチでも同等の精度で心拍数が取れることもあります。

Q.

スマートウォッチから心拍データを取得すると、サイコンのバッテリーの減りは早くなる?

A.

機器の相性などはあるかもしれませんが、どの心拍センサーから取得しているかは、サイコンのバッテリーの減りに大きく影響を与えることはほとんどありません。

そのため、心拍データを送ることでスマートウォッチのバッテリーの減りが早くなることがあっても、サイコン側のバッテリーの減りが早くなることは基本的にないと思って良いかと思います。

この記事で紹介したアイテム

  • Apple Watch SE

    メーカー Apple
    計測データ 心拍、位置情報
    接続方式 Bluetooth
    電源方式 内蔵バッテリー
  • Instinct Dual Power Tactical

    メーカー Garmin
    計測データ 心拍、位置情報、気圧高度、コンパス、加速度計、温度計、血中酸素
    接続方式 Bluetooth、ANT+
    稼働時間 最大 30 時間 + 8 時間(GPS + 光学心拍計モード)
    SUICA 非対応
    重量 53g
  • vívomove 3

    メーカー Garmin
    計測データ 心拍(心拍転送モードあり)、気圧高度、加速度計、血中酸素トラッキング、VO2 max
    接続方式 Bluetooth、ANT+
    稼働時間 最大4日間(スマートモード)
    SUICA 対応
    重量 46.1g
  • TICKR Heart Rate Monitor (WFBTHR04G)

    メーカー Wahoo
    計測データ 心拍数
    接続センサー Bluetooth、ANT+
    ※同時に最大3つのBluetooth接続によるペアリングが可能
    電源方式 ボタン電池(CR2032)

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