シマノのロードバイク、MTB、クロスバイク用コンポーネントで採用されているチェーンの互換性を解説。チェーンの選び方について解説します。
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ロングアーチブレーキの特徴とアップグレード方法
最終更新日: 2022/06/08
公開日: 2021/09/21
太いタイヤを装着したロードバイクやクロスバイクに採用される、ロングアーチブレーキ。その特徴とアップグレード方法をまとめました。
この記事の目次
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なぜロングアーチブレーキが採用されるのか?
自転車のキャリパーブレーキには、アーム部分が短い通常モデルと、アーム部分が長いロングアーチモデルがあります。ロングアーチモデルは、タイヤとフレームのクリアランスが広いのが特徴です。
28Cや32Cなどの太いタイヤのロードバイク、クロスバイクにキャリパーブレーキを採用しようと思うと、クリアランスが広い(フレームとホイールのリムまでの距離が長い)ため、ロングアーチのブレーキが必要になります。
上位グレードのロードバイクやクロスバイクの場合は、フレームとリムとの距離に関係がないディスクブレーキが採用されるのですが、格安ロードバイクや、クロスバイクの場合、パーツ価格が高いディスクブレーキにすると販売価格を上げる必要がある(格安バイクにならない)ため、結果としてロングアーチブレーキを使いしかないというわけです。
ロングアーチブレーキの交換は可能?
ロングアーチブレーキが搭載されたロードバイク・クロスバイクでは、通常のショートリーチタイプのキャリパーブレーキが使えません。取り付けたとしても、ブレーキシューがホイールのリムまで届かない(タイヤを擦ることになる)ため、必然的にロングアーチブレーキとの交換となります。
問題はロングアーチブレーキの種類が少ない点で、シマノで言えばBR-R650やBR-R451くらいしか選択肢がありません。
SHIMANO (シマノ) BR-R650
メーカー | シマノ |
---|---|
グレード | 105 |
対応最大タイヤサイズ | 28C |
ブレーキシュータイプ | カートリッジ |
SHIMANO (シマノ) BR-R451
メーカー | シマノ |
---|---|
グレード | - |
対応最大タイヤサイズ | 28C |
ブレーキシュータイプ | 一体型 |
BR-R650は105グレードなので通常用途なら十分ですが現在は市場にほぼ流通していませんし、BR-R650以上のグレードのパーツは残念ながらラインアップされていません。
シマノ以外では、TEKTROやPROMAXにロングアーチブレーキのラインアップがありますが、シマノのロングアーチブレーキよりはやや下の性能と言われます。
現実的にはBR-R451へのアップグレードが唯一の選択肢になりますが、BR-R45以上に高い制動力が欲しいのであれば、通常タイプのリムブレーキに対応するフレームや、今ならディスクブレーキ対応フレームに交換することになります。
ロングアーチブレーキ以外のブレーキは取り付けできる?
ショートリーチのキャリパーブレーキは取り付けできる?
どうしても、ULTEGRAやDURA-ACEのキャリパーブレーキなどの、ショートリーチのブレーキを使いたい場合は、ブレーキシューの長さを延長する「オフセットブレーキシュー」というアダプタを使用するのも一つのてです。
アダプタを使うデメリットとしては、シマノが想定しているストッピングパワーを得られない可能性がある点。
シマノの公式のパーツでない上に、構造的にキャリパーを閉める力がアダプタから逃げるのを避けられないので、せっかくの上位グレードの性能が無駄になってしまう可能性があります。
ディスクブレーキ化はできる?
ロングアーチブレーキを採用しているロードバイク・クロスバイクの場合、タイヤとフレームのクリアランスが広いため、フレームの構造的にはディスクブレーキ車に近いものがあります。
ただし、ディスクブレーキ化するとなると、フレームに取り付け台座が必要になるため、フレームに台座がない場合はディスクブレーキ化はできません。
また、ホイールもディスクブレーキ専用のモデルに交換が必要になるため、ブレーキの交換よりもかなり高額なアップグレードになってしまいます。
ロードバイクのディスクブレーキ化に必要なパーツと買う時の注意ポイント
現在のリムブレーキ・ロードバイクをディスク化が可能かの判断ポイントをまとめて解説。ディスク化する際に必要パーツと、フレーム・ホイール、ブレーキなどのパーツ互換性、注意ポイントをまとめました。
ロングアーチブレーキのバイクとどう付き合う?
ロングアーチブレーキ採用車は、ブレーキのアップグレードという意味では通常のロードバイクと比較すると選択肢が狭くなってしまうため、購入前にその点を理解しておくのがベストですが、「知らずに買って交換しようと思ったらロングアーチだった」という人が多いでしょう。
もし、ロングアーチタイプのロードバイク・クロスバイクのアップグレードをするのであれば、今後そのバイクとどう付き合っていくかを一度しっかりと考えましょう。パーツの選択肢を考えると、中途半端にアップグレードをするよりも買い替えた方が安く上がることももあるからです。
28Cや32Cなどの太いタイヤを装着したいのであれば、最近はエントリークラスでもディスクブレーキ車が増えてきているので、今のロードバイクを売却してディスクブレーキ車に乗り換えるというのも手です。
ホイールメーカーが上位グレードホイールをディスクモデルのみになるなど、ここ数年の業界の流れは確実にディスクブレーキの方向になってきてるいるため、その辺りも考慮すると良いでしょう。
この記事で紹介したアイテム
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BR-R650
メーカー シマノ グレード 105 対応最大タイヤサイズ 28C ブレーキシュータイプ カートリッジ -
BR-R451
メーカー シマノ グレード - 対応最大タイヤサイズ 28C ブレーキシュータイプ 一体型